2005 Fiscal Year Annual Research Report
後発酵茶風味成分の特徴と遺伝子による茶の分類について
Project/Area Number |
16500512
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
加藤 みゆき 香川大学, 教育学部, 教授 (70112654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 正司 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (80074920)
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Keywords | 後発酵茶 / 黒茶 / カテキン / rbcL / 風味成分 |
Research Abstract |
本年度は、後発酵茶の中でも好気的かびつけ茶の黒茶について検討を行った。試料は、中華人民共和国の雲南省・湖南省・湖北省・広西区などの黒茶試料を用いた。黒茶の種類は、プアール茶、茯茶、黒茶、六堡茶を用いた。各黒茶の散茶と緊圧茶の試料について、風味成分としてカテキン、アミノ酸、有機酸、ポリフェノールなどの解析を行った。香気成分の分析はSPME法を用いて分析しGC-MSで成分を同定した。黒茶特有の成分として可溶性成分の分析も行った。その結果、色素成分は、プアール茶の吸光度が最も高く認められた。カフェインは、散茶に多く、カテキンは黒茶全体少なかった。緊圧茶には、散茶に存在しない(-)-ガロカテキン-3-ガレートや(-)-カテキン-3-ガレートの存在が認められた。これは緊圧茶成型時の熱によってカテキンの熱分解が起こったためと考えられた。没食子酸は、プアール茶に多く含有していたが、他の黒茶には少なかった。可溶性成分は、プアール茶に多く存在していた。散茶と緊圧茶では、散茶の方に若干多く含まれていた。 嫌気的バクテリア発酵のタイのミヤンについても製造方法を合わせて検討した。調査地域は、北タイを中心にチェンマイ、ナン県、チャンライなどを調査した。ミヤンの製造は、チャンマイとナン県で製造されていた。ナン県の製造方法は、チャンマイの製造方法と異なり、茶葉を1枚、1枚摘み取る方法を用いていた。またカムの方法もチェンマイの地域と異なりただ束ねる方法をとっていた。これらの方法は、以前北ラオスにおけるミヤンの製造方法と同じであった。また、これら地域の茶葉の遺伝子を解析した。従来から用いているDNAの抽出方法を行い、プライマーはRibulose bisphosphate carboxlase large subunit (rbcL)を用いて解析を行った。その結果、多くの北タイのチャは、Camellia sinensis var. assamicaであったが、チェンマイの一部の地域にCamellia taliensisのチャが見つかった。このCamellia taliensisが茶の製造に用いられているのは非常に珍しいことであった。
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