2004 Fiscal Year Annual Research Report
食物抗原の腸管吸収と腸管免疫に対するストレスの影響
Project/Area Number |
16500517
|
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
南 久則 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (50136230)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 知子 山口県立大学, 生活科学部, 講師 (00310730)
|
Keywords | ストレス / 腸管免疫 / 腸間膜リンパ球 / 小腸上皮細胞間リンパ球 / 抗体産生 |
Research Abstract |
【目的】ストレス負荷により腸管粘膜透過性が亢進することが知られている。透過性亢進に伴う管腔内抗原の体内侵入の増大に対応して腸管免疫が変化する可能性が考えられるので、ストレス負荷ラットにおける脾臓及び腸間膜リンパ節(MLN)リンパ球と、小腸上皮細胞間リンパ球(IEL)サブセットの変化を観察した。同時に、MLN、脾臓リンパ球における抗体産生能の変化を測定した。 【方法】SD系雄性ラットを実験に用いた。ストレス負荷はコミュニケーションボックスを用い、物理的及び心理的ストレスを負荷した。物理的ストレス(FS)群は、ラット足裏に電撃を加えストレスを負荷した。一方、心理的ストレス(PSY)群は、同ボックスの床にアクリル板を敷くことにより電撃は受けないが、周囲に配置したFS群ラットの鳴き声、飛び跳ね、もがきなどにより心理的ストレスが負荷される。2週間のストレス負荷の後、MLN及び脾臓リンパ球、IELを単離し、フローサイトメーターを用いてリンパ球サブセットを測定した。同時に、単離したリンパ球を培養し、ELISA法によりIgA及びIgG産生能の変化を測定した。 【成績】FS群では、MLNリンパ球におけるCD8^+T細胞、αβT細胞の増加、脾臓リンパ球におけるαβT細胞及びγδT細胞の増加傾向が観察された。IELでは、FS群において、T細胞、CD8^+T細胞の割合が増加し、B細胞、CD4^+T細胞の割合が減少した。MLNリンパ球のIgA、IgG産生能は、FS群において有意に亢進した。PSY群の抗体産生能の変化は認められなかった。 【結論】物理的ストレス負荷により腸管における免疫機能が変化し、MLNリンパ球のIgA、IgG産生能が亢進することを明らかにした。ストレスによる腸管透過性亢進による抗原の体内侵入の増大に対応し、腸管局所の免疫機能が亢進することが推測された。
|
Research Products
(1 results)