2005 Fiscal Year Annual Research Report
大豆イソフラボンとアルギニン併用摂取による加齢性骨粗鬆症治療に関する基礎研究
Project/Area Number |
16500519
|
Research Institution | Department of Food Science and Nutrition |
Principal Investigator |
海老沢 秀道 昭和女子大学, 生活機構研究科, 助教授 (70160380)
|
Keywords | 骨粗鬆症 / 大豆イソフラボン / アルギニン / 骨密度 / 骨代謝調節因子 / mRNA発現 / 高齢期ラット |
Research Abstract |
大豆イソフラボンとアルギニン併用摂取による加齢性骨粗鬆症治療の有効性を検証する目的で、卵巣摘除した高齢期ラットにイソフラボンとアルギニンを同時摂取させた。全てのラットにおいて血液生化学検査値は正常値を示した。OVX-CA群に比べてOVX-AI群では、1)ラットの体重はわずかな増加にとどまった。2)子宮重量は増加しなかった。3)骨吸収マーカーは20%高値傾向を示した。骨形成マーカーは正常化した。4)大腿骨および腰椎骨密度は、イソフラボン単独摂取による改善は見られたが、むしろ低下した。5)破骨細胞形成促進因子のM-CSF発現は約2倍に増加した。6)しかしRANKL発現は、OVX-IF群では低下傾向を示したが、減少しなかった。7)Caspase発現は、OVX-IF群では低下傾向を示したが、むしろ増加した。8)破骨細胞のアポトーシス促進因子のApaf-1発現は、OVX-IF群では高値傾向を示したが、OVX-AI群では明らかな上昇は見られなかった。9)Bcl-2ファミリーの属するアポトーシス促進遺伝子のBim、Apaf-1発現は、OVX-IF群では高値傾向を示したが、OVX-AI群ではほとんど変化しなかった。10)一方、Caspase-3発現はOVX-IF群で低く、OVX-AI群で高くなる傾向を示した。 以上の結果、体重維持条件では、大豆イソフラボン単独投与は加齢性骨粗鬆症モデルラットの骨密度維持に有効なことが示された。この作用機序として破骨細胞アポトーシスの促進が考えられた。一方、アルギニンとの併用摂取によるイソフラボンの骨量維持作用の促進は観察されなかった。
|