2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500520
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Research Institution | Tokyo Kasei Gakuin University |
Principal Investigator |
江原 絢子 東京家政学院大学, 家政学部, 教授 (40256285)
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Keywords | 会席料理 / 懐石料理 / 江戸時代 / 明治時代 / 献立 / 料理屋 / 料理書 / 食文化 |
Research Abstract |
本研究は、近世・近代の料理書、近世の随筆、黄表紙、各家に残る婚礼・客膳料理に関する食事記録など、視点の異なる史料から献立の形式・内容を分析することにより、次のことを明らかにすることを目的とする。 1)会席料理の成立に関わると考えられる即席料理形式の特徴を黄表紙・随筆類、明治以降の料理書等を調査することで明らかにする。 2)料理屋の会席料理の事例を収集し、1)とあわせその成立時期を明らかにする。 3)本膳料理を中心とした各地域の婚礼献立を収集・調査し、時代、地域による饗宴の形態の特徴を明らかにし、その饗宴の形態に会席料理形式が浸透する時期と地域とを明らかにする。以上の結果より、会席料理形式と本膳料理形式との関連性を解明する。 <研究結果・考察> 近代以降の雑誌類、『月刊食道楽』(1905年創刊)『料理の友』(1913年創刊)から料理献立に関する記事を抜き出し、そこでの料理献立と儀礼、行事との関係等について検討した。また、料理屋の探訪記などから、献立の特徴を記述した記事を集めた。大正期になると、酒肴として、何度も供され、ほとんどの献立に例外なく出されていた吸物が、それほど多くはなくなったこと、吸物と汁物の区分が不明瞭となり、汁の位置づけに吸物が置かれる例も見られるようになる。これらの献立についてはスキャンして、報告書に掲載した。
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