2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500525
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
真部 真里子 同志社女子大学, 生活科学部, 助教授 (50329968)
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Keywords | Caco-2 / 酸化ストレス / 経上皮膜電気抵抗 / GSH / 野菜 / 加熱調理 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、腸管上皮細胞モデルであるCaco-2細胞を用いて、酸化ストレスとして過酸化水素を添加し、野菜の酸化ストレス防御能について検討した。酸化ストレスによる細胞の損傷程度の指標として、経上皮膜電気抵抗(TER)の経時的測定により細胞間密着結合の健全性を調べた。また、細胞膜の健全性を乳酸脱水素酵素(LDH)活性と刷子縁膜上のマルターゼ活性によって、さらに、細胞内の酸化還元状態を制御する総グルタチオン量を測定した。 まず、昨年度、TERの測定時に、実験操作によってTERが変動することが明らかになったため、この影響を排除できる実験操作法を検討した。 また、細胞の損傷程度の指標として期待していた刷子縁膜上のマルターゼ活性については、グルコーストランスポーターの影響が大きく、しかもトランスポーター自身が酸化ストレスの影響を受けるため、酸化ストレス時の細胞膜の健全性を適切に測定できないことが明らかとなった。 その後、各種市販野菜(ゴボウ・カボチャ・アスパラガス・ピーマン・ブロッコリー・ナス・ホウレンソウ)について、水抽出液を調製し、過酸化水素と同時に細胞に添加し、細胞損傷程度を測定した。その結果、生のピーマン、ブロッコリー、アスパラガスには酸化ストレス防御機能が認められた。アスパラガスのその効果は茹で加熱、レンジ加熱を施しても維持された。また、生のカボチャは、細胞間密着結合の弛緩を抑制できなかったが、茹で加熱、レンジ加熱を施すと抑制能が生じ、他の指標における酸化ストレス防御能についても上昇した。このように、野菜の酸化ストレス防御能は加熱調理により変化することが明らかになった。
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