2006 Fiscal Year Annual Research Report
食生活による老化予防のための細胞老化メカニズムの解明
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16500526
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
土井 裕司 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (50106267)
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Keywords | PC12細胞 / リン脂質過酸化物 / 細胞膜損傷 / 抗酸化系 / GTPase |
Research Abstract |
研究初年度(平成16年度)は、リン脂質過酸化物の細胞生育への影響を明らかにすることを中心として研究を進め、研究第2年度(平成17年度)には、リン脂質過酸化物の細胞分化前後での細胞生育や形態への影響を検討してきた。いずれも使用した細胞はPC12細胞である。 本年度の研究成果として 1.リン脂質過酸化物の細胞膜損傷への影響 細胞膜損傷を細胞内および培地中の乳酸脱水素酵素の活性を測定することによって検討した結果、リン脂質過酸化物は細胞膜を損傷させていることが明らかとなった。 2.リン脂質過酸化物存在下での培養での細胞膜組成への影響 細胞膜を抽出し、電気化学検出器を備えた逆相HPLCで検討した結果、細胞膜中にリン脂質過酸化物が含まれていた。 3.リン脂質過酸化物存在下での培養での細胞内抗酸化酵素系の活性抗酸化系酵素として、Superoxidedismutaseの活性を測定した。また、DPPHラジカル消去能をも検討した。その結果、いずれも低下していた。 4.リン脂質過酸化物存在下での培養での細胞内GTPase活性の検討 GTPase活性の発現はチューブリンからの微小管形成と連動していると仮定して、その酵素活性を測定した。その結果、活性は明らかに低下していた。 上記の結果と併せ考えると、細胞外へ添加されたリン脂質過酸化物は、まず、細胞膜を損傷して細胞内へ侵入し、チューブリンと相互作用することによって、微小管形成を阻害しているものとの結論が導き出せた。
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