2004 Fiscal Year Annual Research Report
摂食機能の低下した高齢者に対する栄養管理方法についての研究
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16500531
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Research Institution | Gifu City Women's College |
Principal Investigator |
栢下 淳 岐阜市立女子短期大学, 食物栄養学科, 助教授 (40312178)
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Keywords | 嚥下食 / 嚥下障害 / ゼリー / 凝集性 / 食品物性 |
Research Abstract |
摂食・嚥下機能の重度障害者が経口摂取するためには、ゼリー様のやわらかい食品が適しており、研究室で各種ゲル化剤を使用し作成したやわらかいゼリーおよび市販食品については物性面から検討を重ねている。物性測定にはレオメーターを使用して検討しており、その結果を病院の管理栄養士や言語療法士と検討した結果、硬さ10000N/m2以下、付着性400J/m3以下、凝集性0.4前後が適していると推察している。この範囲内に入り、経時的な物性変化が少ないものを検討している。この検討を繰り返すことにより、上記の範囲内に入るもの、1変数のみ入らないものなど、様々なデータが得られ、病態別や重症度別の分類表を臨床現場で勤務する方と作成中である。このような重度の方に最初の1口から嚥下機能のリハビリを目的するゼリー様の食品を作成する一方、見た目は本来の食品であるが、極めて柔らかい食品つくりもあわせて検討している。また、作成されたレシピでどこの施設でも作成できるような調理器具としてスチームコンベクションオーブン(以下スチコン)を利用し、食品素材ごとに検討している。その結果、野菜類の一部においては、硬さ10000N/m2以下、付着性400J/m3以下、凝集性0.4前後に近いものも素材のきり方、スチコンの温度、時間設定により得られつつあるが、蛋白源である肉類(牛、豚、鶏、魚)では、上記の設定値に近いものは得られていない。現在は、肉類は切り方工夫しつつ、スチコンで調理し、検討してきたが、来年度は前処理を行うことで、よりやわらかくする方法について検討する予定である。
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