2006 Fiscal Year Annual Research Report
摂食機能の低下した高齢者に対する栄養管理方法についての研究
Project/Area Number |
16500531
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
栢下 淳 県立広島大学, 人間文化学部, 助教授 (40312178)
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Keywords | 嚥下障害 / 食品物性 / 低栄養 / かたさ / 凝集性 / 付着性 / 病院 |
Research Abstract |
嚥下障害者は低栄養のリスクがあることは知られていたが、どの程度、血清アルブミン値に影響しているのかを患者233名を対象とした調査を行った。その結果、嚥下障害者は、嚥下機能が正常な者に比較し、血清アルブミン値が0.81g/dl低いことがわかった^<1)>。 この原因の1つとしては、嚥下障害患者に対して、どのような食品物性が適するのかが不明なため、提供する食事については試行錯誤していることが考えられる。そこで、嚥下障害者に対しての臨床的な実績を有し、過去17年間に108万食の嚥下食を提供した実績を有する静岡県浜松市の聖隷三方原病院の5段階の嚥下食の物性解析を行った。物性解析にはクリープメーターを用い、かたさ、凝集性、付着性の3つの因子について検討した。その結果、ゼリーのような均一な物性で提供する重度の患者用嚥下食、段階1では、かたさ2000〜7000N/m^2、凝集性0.2〜0.5、付着性200J/m^3以下、段階1よりやや回復した患者に提供する段階2では、かたさ1000〜10000N/m^2、凝集性0.2〜0.7、付着性200J/m^3以下または凝集性が0.4付近にあれば500J/m^3以下、さらに回復した患者に提供する段階3では、かたさ12000N/m^2以下、凝集性0.2〜0.7、付着性300J/m^3以下または凝集性が0.4付近にあれば800J/m^3以下の物性であることがわかった^2)。さらに嚥下状態が改善すると段階4および段階5として、不均一な物性の食品を提供している。段階4および段階5の物性については、検討している。 1)日本病態栄養学会誌9(2)191-197 2006 2)日本摂食・嚥下リハビリテーション学会誌10(3)239-248 2006
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Research Products
(6 results)