2004 Fiscal Year Annual Research Report
食事誘発性体熱産生が熱放散反応の身体部位差に及ぼす影響
Project/Area Number |
16500533
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Research Institution | Osaka International College |
Principal Investigator |
米浪 直子 大阪国際大学短期大学部, 家政科, 助教授 (70291979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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Keywords | 朝食摂取 / 舌下温 / 皮膚温 / DIT / 熱産生 / 皮膚血流量 / 熱放散反応 / 体温調節 |
Research Abstract |
近年、朝食の欠食が問題として取り上げられることが多くなったので、体温調節からみた朝食摂取による生理的反応について科学的知見を得るために本研究を実施した。食後に熱産生量が増加することを食事誘発性体熱産生(DIT)といい、食事量や食事内容によって影響されることが知られている。本研究では、朝食摂取によるDITが熱放散反応に及ぼす影響を身体部位差に着目して検討を行った。 若年成人女性を対象とし、人工気象室(25℃・40%)内で、約450kcalの朝食を摂取する(BF)条件と摂取させない(N-BF)条件で、食前と食後40分後、80分後、120分後について同じスケジュールで、安静時の熱産生量、舌下温、皮膚温、皮膚血流量(LDI)、心拍数(HR)、温冷感、快適感を測定した。 熱産生量は、BF条件では食後約13%増加し、BF条件がN-BF条件より有意に高い値を示した(p<0.001)。舌下温については、食事の有無による差は認められなかった。食後の皮膚温はBF条件において、胸・腹・上腕前面・前腕前面・前腕後面・手掌・手背でN-BF条件より有意に高い値を示した(p<0.05)。胸部および大腿部のLDIは、BF条件がN-BF条件より有意に高い値であった(p<0.05)。HRはBF条件がN-BF条件より有意に高い値であった(p<0.01)。快適感は両条件による有意な差はみられなかった。 以上の結果から、450kcalの朝食摂取による熱産生の亢進は舌下温にまでは反映しなかったものの、皮膚血管拡張を導き、身体前面部では上肢(手掌・前腕・上腕)から躯幹部(胸・腹)で、後面では上肢(手背・前腕)で皮膚温の上昇が顕著に観察された。
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Research Products
(7 results)