2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500577
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
室田 真男 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (30222342)
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Keywords | インターネット / レスポンス時間 / アクセス分布 / コンピュータ教室 / 項目反応理論 |
Research Abstract |
本研究では、主に初等中等学校における学習活動との関係からみて、インターネットとの接続回線速度によりどの程度の学習ができるかを、インターネットからの情報取得時間という観点から定量的かつ実験的に明らかにすることを目的としている。本年度は、コンピュータ教室における授業を想定し、児童・生徒がインターネットへ一斉にアクセスする状況におけるアクセス分布ならびにデータ取得時間(レスポンス時間)を実験的に明らかにした。 イーサネットによるLANを教室内に構築し、Webサーバを設置した。27人がLANに接続された各自のコンピュータのブラウザを通してWebサーバからデータを一斉に取得する仮想授業実験を行った。サーバ側の通信をtcpdumpにより記録した。アクセス分布は、Webサーバへ届いたリクエストの時間分布とした。レスポンス時間は、サーバにリクエストが届いてから、ファイルを送り終わるまでとした。仮想授業は、スクリーンに指示したURLをブラウザにキーボード入力させて、JPEG画像を表示するという形で進行した。URLの入力文字数を8文字から36文字、ファイルサイズを64Kbyteから8192Kbyteまで変化させた。 その結果、アクセス分布は、ガンマ分布関数で非常に良く近似できることが明らかになった。この分布は、被験者のタイピング速度から類推される分布とはやや異なっていた。ガンマ分布の平均値と分散は入力文字数により変化する。項目反応理論との定量的な関係は今後の検討課題である。 レスポンス時間は、データサイズが大きくなるにつれて、平均値が理論値に比べてかなり大きくなり、特にその分散が急激に大きくなることが明らかになった。また、同じデータサイズの場合でも、アクセス分布の平均ならびに分散が大きくなるにつれ、レスポンス時間が小さくなることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)