2006 Fiscal Year Annual Research Report
高度情報システム開発技術者の育成を指向した実践的教育手法に関する研究
Project/Area Number |
16500603
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
浮貝 雅裕 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (80118695)
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Keywords | 情報システム開発 / 実践的教育 / 仮想計算機 / 情報処理技術者教育 / 学習環境 |
Research Abstract |
情報システム開発技術や開発環境の高度化に伴って、教育機関における従来型プログラミング教育とのギャップは拡大する一途である。さらに、システム開発環境の構築では、複数のコンピュータや管理者権限が必要とされるケースも多く、通常の教育設備を利用した教育は極めて困難である。本研究では、限られた教育設備の活用で多様なシステム開発環境の構築を実現可能とする、新たなシステム開発学習環境の構築手法を提案することを目的としている。 実社会では分散型のシステム開発事例が一般的で、コンピュータをネットワーク接続する際の諸設定や管理者レベルの知識が必要とされる場合も多い。よって、学習者に管理者権限を付与可能で保守性にも優れた新たな学習環境の構築手法が必須となる。昨年度までは、ネットワーク管理者教育用途に仮想計算機環境を搭載した現有PCを兼用して研究を進めてきた。今年度は、4月から本学で構築・運用が開始された大規模仮想計算機演習室も利用し、授業等への一部成果の適用も試みた。また、その演習室の概念設計には、本研究成果による貢献が大きい。システム開発環境構築用の仮想計算機群は、現在大容量NASトレージ上に格納するとともに、モバイルストレージも併用して適宜利用可能となっている。Gigabitネットワークの利用でも、例えば3台の仮想計算機をダウンロードするためには相応の時間がかかり、開発環境の迅速な構築には低廉化が進むモバイルストレージの併用は現実的である。さらに、開発環境の高頻度なバージョンアップには、仮想計算機を新規に構築して追加する手法が有効であり、実用上は無限容量と見なせる大容量NASストレージが必要不可欠である。すでに、100人超の授業でサーバ設定を伴うWebアプリケーション開発や、少人数ながらも3台の仮想計算機を利用した環境構築の授業実践も行っており、今後のさらなる実践成果が期待されている。
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