2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳波パターン解析に基づいたマルチメディア教材の学習効果の比較:語彙習得に関して
Project/Area Number |
16500618
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
中野 秀子 九州共立大学, 工学部, 助教授 (20309735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏目 季代久 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (30231492)
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Keywords | 脳波 / θ波 / 英語語彙習得 / マルチメディア / 教材提示 / 視聴覚効果 |
Research Abstract |
本研究はマルチメディア教材の英語学習効果に関して、まず、英語語彙習得について調べた。科学英語ニュース(「Water in the Mars」、音声、映像約30秒、350語)を(1)文字、(2)文字+音声、(3)文字+音声+動画の3つの異なったメディアの組み合わせで作成し、この教材学習時の被験者の脳波を測定し解析した。Pre-testとして教材本文中の20個の英語語彙カードの意味認識試験を行い被験者は意味を口頭で答えた。その後3人の被験者は英文の内容を訳した日本語文を声を出して読んだ。次に、(1)、(2)、(3)の実験材料の内1つをコンピュータ画面上で学習し、その後post-testとして、ランダムに示した英語語彙カードの意味認識試験を行った。被験者は語彙カードの提示後20秒間示された英語語彙の意味を頭でイメージした後、口頭で答えた。実験中、脳波測定とビデオ撮影を行った。実験1日目の後、2日、3日、1週間、1ヶ月後に同様に語彙テストを行った。脳波は被験者のFz、Cz、Pz、Oz、F3、F4、T3、T4部位で測定し、信号解析ソフトウエアのMemCalc(諏訪トラスト社)を用い、α波、β波、θ波の各周波数帯域パワーの経時変化を測定した。その結果、前頭部Fzにおいて、それぞれの学習者のθ波の増加の割合はα、β波に比べ最も大きく、第1日目に(3)の教材学習後のpost-testのθ波のパワーが他の2つの教材学習後の場合より約2倍高かった。又、正答率は3日目が最大でその後一定((1)と(2))になる傾向と、一ヶ月後まで正答率が上昇する((3))傾向が見られた。これらの結果から、θ波が英語語彙学習時の脳内変化に何らかの形で関わっており、提示される教材のメディアによってθ波の経時変化のパターンが異なり、語彙の正答率も変化するのではないかと考えられる。今後8箇所のθ波を解析して、さらに正答率とθ波の関係を調べていく予定である。
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Research Products
(3 results)