2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本語小論文の自動評価採点、および作文支援システムの開発
Project/Area Number |
16500628
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
石岡 恒憲 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 助教授 (80311166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 和重 徳島文理大学, 文学部, 教授 (60289311)
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Keywords | 小論文・エッセイ / 自動採点 / 作文評価 / 自然言語処理 / 統計的アプローチ / 外れ値検出 |
Research Abstract |
(1)試作したシステムのWebでの公開 新規購入したワークステーションを既存のネットワークに接続し、Webサーバを立ち上げた。プログラムはCシェルスクリプト,jgawk,jsed,perl,Cで書かれており、全部で約1万行である。応答時間は800から1,600字程度の小論文に対して2秒以内を達成した。 (2)採点の論拠となる各メトリクス指標の影響評価 毎日新聞のCD-ROMに納められている社説やコラム(「余録」)を模範エッセイとした場合に、文章がいかによく書かれているかの評価尺度である「修辞」と、文章の論理的構成尺度である「論理構成」の各評価尺度の特性値の分布がどのようであるのか、また代替特性となる評価尺度はどのようなもので、それらの定量的な関係はどうであるかを調査した。言い替えれば、模範エッセイの内容分析を行なった。これにより、よい小論文とは、どのような修辞上の特性と論理構成を持つのかを定量的に理解できた。 (3)作文支援機能 英文においてはCriterionというシステムが既にその機能を実装しており、これを参考にして日本文においても実現できるよう調査を進めた。その製品仕様だけでなく、その開発グループが国際会議等で発表した論文を調査し、技術的な詳細について知識を獲得した。作文支援には大別して1.文法(grammar)の誤り、語使用(usage)の誤り、誤植(mechanics)の類など、コンピュータが的確に作文の不備を指摘することが比較的容易と思われるものの他に、2.文体や文章の書き換え、論文構成、議論の展開など、従来、人間による高度な診断に基づいてなされる指摘とがあり、本研究では後者についてもその解決を試みるべく調査をおこなった。 研究成果はデータベースに関する有名な国際会議であるDEXAに論文が採択された。また国内では日本行動計量学会誌、および日本教育工学会論文誌に論文が採録された。これらは全て学術審査論文である。また、平成17年2月15日朝日新聞夕刊1面トップに本システムが紹介された。
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