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2004 Fiscal Year Annual Research Report

進化論の枠組みの中で微生物はいかに捉えられたか

Research Project

Project/Area Number 16500630
Research InstitutionMie University

Principal Investigator

小川 眞里子  三重大学, 人文学部, 教授 (00185513)

Keywords進化論 / 微生物 / Robert Koch / Ferdinand Cohn
Research Abstract

2003年度に『甦るダーウィン』(岩波書店)を纏め出版したが、それはさまざまな局面から進化論について考えるよい機会であった。申請者は2002-2003年度の科研費でコレラを中心に微生物学を扱い、進化論に関係していくつかの疑問を抱くようになった。すなわち、『種の起源』のなかでダーウィンはさまざまな動植物に言及しているが、微生物の進化に関する言及が欠落しているのはなぜか。そうした欠落は、微生物学を独自の分野として、研究の俎上に載せることが出来るまでにさらに20年ほどを必要としたからと思われるが、本研究で微生物進化に関する考えを拾い上げるよう努力したい。
本年度の一番の成果は、夏にミュンヘンとベルリンにおいて調査をしたことである。微生物の種が不変であるとする立場は、主としてRobert KochとFerdinand Cohnによって主張された。コッホについては、彼のコッホの条件から考えても、純粋培養を経ていくうちに種が変化するなどということはありえないことと理解出来る。しかしコーンについては、詳しい情報はほとんどないので、今回はコーンを中心に文献調査にあたった。実際に調査してみると、ミュンヘンではいくつかの文献を入手できたが、ベルリンではフンボルト大学の図書が一元化されておらず、資料は複雑に個別箇所に分散しており、ミュンヘンに存在するもの以外で一次資料として本当に有益なものを見つけることは出来なかった。ただし1872年のコーンのUeber Bacterienを入手することができ、これは本研究と関係が深く思われた。髭文字のドイツ語ゆえ、この分については謝金をつかって、翻訳を依頼し、内容を把握することが出来た。ミュンヘンで入手した2次文献については逐次整理中であるが、かなり網羅し得た。
申請者の当初見通しに置いてはそれほど関係しないと思われたパストゥールについても、基本的な情報を押さえておく必要があるとみて、パストゥールの新資料を明らかにしたG・ギーソンの『パストゥール』を丹念に読んだ。

  • Research Products

    (4 results)

All 2004

All Journal Article (3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] ロンダ・シービンガーの科学史・科学政策研究2004

    • Author(s)
      小川 眞里子
    • Journal Title

      お茶の水女子大学21世紀COEプログラム『F-GENジャーナル』 創刊号

      Pages: 155-164

  • [Journal Article] 19世紀半ばロンドンの屎尿リサイクル2004

    • Author(s)
      小川 眞里子
    • Journal Title

      三重大学人文学部哲学思想・教育学部哲学倫理『論集』 11

      Pages: 61-77

  • [Journal Article] コレラと衛生問題:伝染病をめぐる政治学2004

    • Author(s)
      小川 眞里子
    • Journal Title

      平成14-15年度科研費補助金基盤研究(C)(2)研究成果報告書

      Pages: 44

  • [Book] 科学技術とジェンダー:EUの女性科学技術者政策2004

    • Author(s)
      ヘルガ・リュープ ザーメン=ヴァイクマン翻訳
    • Total Pages
      103
    • Publisher
      明石書店

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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