2004 Fiscal Year Annual Research Report
デカルト、パスカルの科学思想上の定位再構築と関連書誌研究
Project/Area Number |
16500631
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
小柳 公代 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (30086235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 英太郎 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (10086225)
武田 裕紀 英知大学, 文学部, 講師 (50351721)
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Keywords | ステヴィン(ステフィン) / デカルト / ガッサンディ / パスカル / ハーヴェイ / カンギレム / 17世紀の生理学 / 真空実験 |
Research Abstract |
我々は3名の恒常的協力研究者:永瀬春男(岡山大学)、内田正夫(和光大学)、本間栄男(東京大学COE特別研究員)の他、多くの研究者・技術者:パスカル研究会、牧衷(元岩波科学映画編集)、中神賢史(同撮影者)、中村禎里(ハーヴェイ研究)、の協力をえて、3回の研究会(7月7月3日〜4日愛知県立大学。8月21日八重洲富士屋ホテル会議室。12月25日〜26日英知大学)と、パスカルらの「真空中の真空実験」復原装置による公開実験と映画撮影会を開催した(8月22日〜24日新潟県湯之谷村板倉聖宣研究室)。ついで実験記述にあらわれる<vessie>,<ballon>を豚などの膀胱と推定、研究を進めている。 海外研究者デコット教授は急用のため来日中止。代わりに氏から「パスカル研究文献一覧」が送付され、武田の渡仏時に実験映像を示し討議。また、本多、武田はそれぞれ8月26日〜9月8日、2月11日〜21日に渡仏、資料収集等に従事。 メンバーの成果論文:(1)小柳「ゲリエ写本G^1-5、伝『真空論序文』印刷諸版の照合」(要約:『真空論』の序文と考えられてきた文書に本来はタイトルがなかったとの強い疑念のもと、この写本の印刷諸版を検討して日仏の読者がこれをいかに受容してきたかを考察)(2)本多「科学史と科学-ジョルジュ・カンギレムの科学哲学II-」(要約:カンギレムの業績におけるデカルトの医学・生理学に関する記述、特に反射概念、健康の概念を鍵にカンギレムの医学・生理学思想テキストを分析)(3)武田「デカルトと落体問題-その失敗と成功の自然学的・数学的・形而上学的背景-」(要約:デカルトは1638年まで繰り返し自然落下の法則の把握に失敗するが、1643年に時間変数を導入して成功した。成功の自然学的・数学的理由および、時間変数の導入に失敗しつづけた形而上学的理由を、原子論者ベークマンとの比較を通して解明)
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Research Products
(3 results)