2005 Fiscal Year Annual Research Report
デカルト、パスカルの科学思想上の定立再構築と関連書誌研究
Project/Area Number |
16500631
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
小柳 公代 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (30086235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 英太郎 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (10086225)
武田 裕紀 英知大学, 文学部, 助教授 (50351721)
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Keywords | デカルト / パスカル / 17世紀の生理学 / 生体機械論 / 真空実験 / 動物の膀胱 / 初期計算機 / くらいどり |
Research Abstract |
H16年度が力学や真空などの物理学研究であったのに対して、本年度の柱は17世紀の生理学研究に置き、本多英太郎を中心に研究活動をおこなった。 生理学では、4月の研究会で本多がデカルトの生理学思想の重要性について研究発表をおこなったほか、前年度と同じ3名の恒常的協力者の一人、本間栄男がガッサンディを担当し、さらにハーヴェイ研究の中村禎里の協力をあおいだ。本間は、ネーデルランドの書誌編集も分担した。 一方、真空実験装置の技術的解明のために新鮮な豚の膀胱を実際に入手し、当時の真空実験で果たした膀胱の役割を解剖学的・歴史的に研究した。絵画・文学・実験器具・調理具等、往時の多くの場面に登場する膀胱を映像で集めて、内田正夫が6月の日本科学史学会で発表。小柳の5月の渡仏時には、パリのメナール教授、クレルモンのデコット教授、カタニア大学のロメオ講師(パスカルの物理論文のイタリア語訳者)にも製作した乾燥膀胱を示し、風船の実験の用具である可能性を告げた。 この間、科研費研究会も含めた口頭発表は、小柳5回、本多2回、武田5回、永瀬春男の計算機研究など協力者計5回をおこない、併せて書誌のための資料収集を進めた。小柳がカタニア大学でおこなった講演はパスカルコロック特集誌に収録され、イタリアにおけるパスカル・デカルト研究の書誌編集にも協力が得られるなど、成果は大きかった。H18年5月にパスカル大学で開催される「真空中の真空実験」のDVD上映会にロメオ講師も参加予定であり、仏・伊の研究交流にも貢献した。 成果報告書は、この2年間の活動を、英語・仏語論文をまじえ写真や図を豊富に盛りこんで、国外の研究者にも配布する予定である。また、書誌はWEB登載して、世界のどこからもアクセスできるように準備中である。
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Research Products
(7 results)