2005 Fiscal Year Annual Research Report
衛星画像データによる低濃度黄砂エアロゾルの時・空間分布の推定
Project/Area Number |
16510011
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Research Institution | KANAZAWA INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
日下 迢 金沢工業大学, 情報フロンティア学部, 教授 (20064454)
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Keywords | 黄砂 / 地上偏光観測 / 黄砂の偏光度 / ADEOSII / POLDER / 黄砂の光学的特性 / 逆転問題 / シミュレーション |
Research Abstract |
近年、日本への黄砂の飛来は増加の一途をたどっているが、大気中に広範囲に広がった低濃度の黄砂の空間分布を衛星画像から視覚的に判読することは非常に難しい。 本研究の目的は、地上からマルチチャンネルのポーラリメータで測定された大気偏光度データ、及び、衛星からマルチアングル、マルチチャンネルで収集された輝度・偏光データから逆転問題として地上反射率と大気中に浮遊する黄砂エアロゾル濃度を同時に最適に推定するアルゴリズムを確立することである。 本年度は、以下の2点について研究を行った。 (1)地上観測による大気偏光度の閲覧システムの構築 前年度に引き続き継続的に大気の偏光度を偏光測定器PSR-1000で測定し、黄砂飛来日のサンプル数を増やした。これまでに収集された黄砂の飛来日の偏光度とそうでない日に観測された偏光度の波長依存性の違いを調べるWebシステムを構築した。そのシステムを利用することにより、黄砂飛来時間の前後に収集された偏光度は、黄砂が飛来していない場合と違って、443nmから865nmにかけて一様に減少することが分かった。 2)地上及び衛星観測による大気偏光度の関連性に関する検討 ADEOSII/POLDERによる大気偏光度とそれとほぼ同時に地上から測定された大気偏光度との関連性を検討した。 2003年5月3日に収集された日本を含むADEOSII/POLDERデータを使用し、石川県上空の大気エアロゾルの光学的特性を推定した。その光学的特性を使って地上での偏光度を推定した。推定された偏光度と衛星観測とほぼ同時に地上で測定された443nm、670nmにおける偏光度と比較した。その結果、670nmにおいては、両者はよい一致を示したが、443nmにおいては、幾分違いが生じた。443nmにおいては、他の日時のデータに適用し、推定アルゴリズムの信頼性をさらに向上させる必要があることが分かった。
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Research Products
(2 results)