2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本海側多雪山地のスギ人工林流域における酸性降下物の生態系影響評価
Project/Area Number |
16510020
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中田 誠 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (80217744)
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Keywords | 酸性降下物 / スギ人工林流域 / 地形的位置 / 林内雨 / 海塩由来成分 / 渓流水 / 物質収支 / 窒素飽和 |
Research Abstract |
新潟県新発田市(旧北蒲原郡加治川村)に設定したスギ人工林長期動態モニタリングサイトにおいて、年間を通じた成分沈着量と渓流水の観測データを得ることができた。 1.斜面方位別(西北西、南西、北東)、斜面位置別(上部、中部、下部)にプロットを設定し、林内雨と林外雨を観測した。 流域への年間成分沈着量(当量ベース)では、Cl^-とNa^+が圧倒的に多く、次いでSo_4^<2->、Mg^<2+>、Ca^<2+>であり、K^+、NO_3^-、NH_4^+は少なかった。流域への成分沈着量は冬季に急激に増加し、北西・西北西からの風量との間に強い正の相関が認められた。また、冬季は海塩由来成分の割合が80%以上に達した。各斜面方位とも斜面上部プロットで、とくにNO_3^-が冬季に成分沈着量が多かった。一方、斜面中部以下、とくに下部においては、方位の違いによる成分沈着量には有意差が認められなかった。このことから流域への成分沈着量の評価には、斜面方位と斜面位置を考慮することが重要である。 2.渓流水の調査では、平水時の定期観測と増水時の連続観測を併用した。成分ごとに流量と濃度の関係が異なるため、本研究では区間代表法とL-Q法を併用して渓流水による年間成分流出量を推定した。 流出量(当量ベース)の多い成分はCl^-、Na^+、Ca^<2+>であり、次いでMg^<2+>、SO_4^<2->、NO_3^-、K^+の順になっていた。本流域での年間物質収支(林内雨による沈着量と渓流からの流出量の収支)を推定したところ、Na^+、Cl^-、SO_4^<2->は比較的釣り合っていた。しかし、Ca^<2+>は流出量が沈着量の約4倍、Mg^<2+>は約2倍であり、土壌または母岩の風化によって多くが溶出しており、酸性降下物の流域への影響の可能性が示唆された。また、NO_3^-は沈着量と流出量が同量で、NH_4^+として沈着量が多少あるためにNの総量では流出量が沈着量を下回っているものの、窒素飽和の状態に近づいている可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Seasonal trends of deposition amounts and possible regulating factors in a Japanese cedar (Cryptomeria Japonica) forest2005
Author(s)
Sase, H., Takahashi, A., Sato, M., Kobayashi, H., Nakata, M., Totsuka, T.
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Journal Title
7^<th> International Conference on Acid Deposition, Conference Abstract (Prague, Czech Republic)
Pages: 358