2005 Fiscal Year Annual Research Report
ウランにより生成する活性酸素の生体制御と劣化ウランの化学毒性解析
Project/Area Number |
16510038
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中島 暉 宮崎大学, 医学部, 助教授 (10041857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 勇人 宮崎大学, 医学部, 助教授 (70244192)
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Keywords | ウラン / 過酸化水素 / ヒドロキシルラジカル / アミノ酸 / 糖 / カテキン / タンニン / DNA切断 |
Research Abstract |
近年、湾岸戦争、アフガニスタン紛争、イラク戦争などの地域紛争において、劣化ウラン弾が多量に使用されており、大きな国際問題となっている。ウランは、プルトニウムと同様、放射線の影響とともに、その化学毒性の強さについても昔から知られているが、その毒性発現の機構はよくわかっていない。劣化ウランの化学毒性発現機構を解明することは、地域紛争の被害住民の健康を取り戻すための重要な基礎を築くことができる一方で、原子力の利用を進める過程で生じる環境整備に関わる多くの課題を解決することにもつながると考えられる。昨年度までの研究で、ウランが過酸化水素と反応し、ヒドロキシラジカルを発生すること、また、ウラン(VI)が過酸化水素によりウラン(V)に還元されるが、不均化反応を経ずに、フェントン型反応により、ヒドロキシラジカルを生成し、ウラン(VI)に戻るプロセスで説明できることを明らかにした。本年度の研究で、ウラン(VI)-過酸化水素系に、糖、アミノ酸、ポリフェノールなどの生体系物質が共存すると特異なヒドロキシルラジカル消去作用を示すこと、スピンとラップ剤が重金属存在下で特異な酸化反応をすることを見出し、これらの反応が直接的消去作用および錯生成反応で説明できることことを明らかにした。また、該系がDNA切断活性を持つことも見出した。これらの成果は、学術雑誌:Canadian Journal of Chemistry, Vol.83, 1178-1184(2005) ; Neurochemical Research, Vol.30, 1117-1121(2005)に発表するとともに、Asia-Pacific Symposium on Radiochemistry200(APSORC-0)(Oct.17-21, 2005, Beijing, China) ; The 2005 International Congress of Pacific Basin Societies(Pacifichem2005) (Dec.15-20, 2005, Honolulu, USA);第21回イオン交換研究会(熊本,2005年11月)において学会報告した。
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Research Products
(2 results)