2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス耐性獲得に関与する遺伝子の検索とその作用機序の解明
Project/Area Number |
16510045
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
鈴木 俊英 帝京大学, 薬学部, 助手 (60256055)
|
Keywords | 酸化ストレス / フリーラジカル / ストレス応答 / 遺伝子発現 / 分子生物学 |
Research Abstract |
本研究は酸化ストレス耐性獲得に関与する遺伝子を新たに見つけることを目的として、過酸化水素耐性細胞で高発現している遺伝子を検索し、その遺伝子が耐性獲得に関与しているかを明らかにするとともに、その耐性獲得メカニズムを明らかにしようとするものである。これまでマイクロアレイを用い、親株であるHL-60細胞と比較して過酸化水素に高耐性を有するHP50細胞、HP100細胞で3倍以上高発現している遺伝子をそれぞれ178個、240個検出している。これらのうち、両細胞で高発現していた遺伝子(98個)を中心に、興味ある遺伝子85個を選出し、リアルタイムPCRを用い真に高発現しているかの検討を行い、44個の遺伝子が少なくともどちらか一方の細胞で2倍以上高発現していた。さらにこれらの遺伝子が酸化ストレス(H_2O_2、AAPH、DEM)により誘導されるか否かを、HeLa細胞、HepG2細胞、HL-60細胞を用い検討したところ、15個の遺伝子がいずれかの細胞、酸化ストレスで2倍以上誘導された。 現在、これらの遺伝子が細胞での酸化ストレス耐性獲得に関与するか否かを明らかにするため、遺伝子導入実験を進めている。これまでに23種の遺伝子について発現ベクターを構築し、一過性に細胞に高発現させたときの酸化ストレスに対する防御作用を検討している。いくつかの遺伝子は高発現させることにより酸化ストレスに対する防御作用を増強したが、その効果は顕著なものではなかった。遺伝子を一過性に発現させた細胞では遺伝子産物が効率的に機能していない可能性も考えられるため、恒常的に高発現した細胞の確立を行っている。
|