2005 Fiscal Year Annual Research Report
セラミック接触材を用いた水からのリン除去・回収法の開発
Project/Area Number |
16510056
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
神子 直之 茨城大学, 工学部, 助教授 (70251345)
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Keywords | リン除去 / 吸着 / リン回収 / セラミックス / 溶存鉄イオン |
Research Abstract |
湖沼の富栄養化問題を解決するために、自らの栄養塩除去、特にリンの除去が求められている・本研究は、吸着除去法に着目し、硫酸鉄添着処理を施したセラミックスを用い、水からのリンの除去に関して基礎的な研究を行ったものである。 セラミックスに対して硫酸鉄処理を行うことでリン除去性能が向上する現象については、硫酸鉄がセラミックス表面より液相中へ徐々に放出されることによる、リン酸鉄生成およびその沈殿により説明できることを示した。一方で、硫酸鉄の放出が無くなるほどに洗浄を行ったセラミックスにおいてもリン除去性能の向上が見られたため、セラミックス表面における硫酸鉄の存在もリン除去に寄与していることが示唆された。 また、吸着したリン酸をアルカリで洗浄することで脱離できることを実験的に明らかにした。 さらに、液相中へ溶出する鉄が2価のイオンであるのに対してリンが水から除去される際に形成されるリン酸鉄の沈殿が3価の鉄であることに着目し、溶存鉄(II)の存在する条件化ではオゾンばっ気を行って強制的に酸化させ、大量のリン酸鉄の生成を確認した。そのため、水中のリンをリン酸鉄の形態で沈殿させるためには、まず2価の溶存鉄イオンを水中へ放出し、何らかの酸化力によって鉄イオンを3価に変化させ、リン除去を促進できることが明らかになった。 水からリンを除去するために用いるセラミックの設計方針としては、2価のイオン鉄を表面に立ち上がらせるか、溶存態の鉄として溶け出すように表面に鉄分子等を析出させることが重要であることがわかった。さらに2価の溶存鉄を酸化させる方法を制御することにより、リン酸の除去と鉄イオンの流出を制御できることが明らかになり、新たな処理プロセスを考案する可能性が示された。
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Research Products
(1 results)