2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16510060
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 雅文 京都大学, 生存圏研究所, 助手 (20263155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 拓郎 京都大学, 生存圏研究所, 助手 (00335225)
井上 正文 大分大学, 工学部, 教授 (60128337)
小松 幸平 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (20283674)
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Keywords | 竹 / 圧密 / 接合具 / 釘 / 建築 / 家具 / 高強度 / リサイクル |
Research Abstract |
本研究では、住宅解体時の異種部材の分別、解体材の再資源化を容易とすることを目的として木質釘の使用を提案した。木質材の圧密技術を応用して、自動釘打ち機に適応可能な高強度木質釘を設計、試作し、木造耐力壁、内装材、家具、資材運搬用梱包材などの接合具としての可能性を検討した。 ・木質釘を建築、造作、家具などの接合具として使用する利点は、以下のように整理された。 (1)リサイクルおよび廃棄時に、木質部材と分別する必要がない。 (2)リユースの際、木工用工具によって、木質部材と同時切削が可能である。 (3)金属汚損、錆などの意匠上の不都合、結露による木質部の劣化を避けられる。 (4)軽量(鉄の約5分の1)であるため、耐加重、耐震設計などが有利となる。 ・竹材の円筒を縦方向に12〜16等分割し、それぞれの木端面に接着剤を塗布して、表皮と内皮を交互に配置し、両端を拘束して圧縮すると、竹材の湾曲は、破壊することなく曲げ変形が生じ、続いて内皮側の低密度領域が主体に圧縮され、圧縮に伴う横方向への伸長から生じる圧締力で各部材は接着され、板材が得られた。 ・マダケを180℃で53%圧縮すると、密度が1.45g/cm^2となり、400Mpa以上の曲げ強さが得られた。 ・圧密竹平板から2.5〜4.5mm角材を切り出し、先端を60°のダイヤモンドポイントとした5〜9cm長さの竹釘について、自動釘打ち機を用いて、スギ、スプルース材に打ち込むことができた。 ・釘頭部を圧縮時に同時成形できた。さらに、釘を貫通させてから釘先端を変形回復させることによって、クリンチングと同様の効果が得られた。 ・木質釘接合のせん断耐力に関する予備実験の結果、木質釘は、2×4建築などに使用される太め丸釘と比較して、剛性、降伏応力、最大荷重に優れていたが、若干、靱性に劣ることが分かった。この点は、木質釘製造の最大の課題になると考えられた。
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