2005 Fiscal Year Annual Research Report
メタン発酵槽内の微生物共生系における細胞間電子伝達系の解明
Project/Area Number |
16510061
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
重松 亨 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (10315286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森村 茂 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20230146)
木田 建次 熊本大学, 工学部, 教授 (00195306)
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Keywords | バイオテクノロジー / 応用微生物 / 遺伝子 / 系統進化 / 廃棄物再資源化 |
Research Abstract |
プロピオン酸からのメタン発酵プロセスに関与する微生物叢を連続培養法により集積し、微生物間電子伝達系の動態を解明することを目的とし、下水処理場の嫌気性消化汚泥を微生物源としたプロピオン酸を唯一の炭素源とする合成廃水を連続供給する中温嫌気性ケモスタットを構築した。希釈率0.01d^<-1>(低希釈率条件)および0.3d^<-1>(高希釈率条件)で定常状態に達した2基のケモスタットを用いて以下の実験を行った。 昨年度に引き続き、プロピオン酸酸化細菌が、プロピオン酸を酢酸、H_2、CO_2に分解する代謝経路を触媒する酢酸キナーゼ遺伝子(ack)のクローンライブラリを構築し、塩基配列の決定を行った。遺伝子データベースに登録されているack遺伝子の配列に基づき、系統解析を行ったところ、同一phylum(門)に属する細菌のack遺伝子は同一クラスターを形成することが判明し、ack遺伝子の系統関係は、16S rRNA遺伝子の系統関係とほぼ一致することが分かった。われわれのケモスタットから構築したack遺伝子ライブラリを解析した結果、低希釈率条件では、Proteobacteria門Syntrophobacter属のack遺伝子と近縁なクローンが優占した。一方、高希釈率条件では、Firmicutes門のack遺伝子と近縁なクローンが優占した。16S rRNA遺伝子のクローンライブラリの系統解析結果では、低希釈率条件では、Syntrophobacter属が、高希釈率条件ではFirmicutes門のPelotomaculum属がそれぞれ優占クローンであった。したがって、ack遺伝子の解析結果は、16S rRNA遺伝子の解析結果と良い一致を示し、ack遺伝子がプロピオン酸酸化機能の指標としてのマーカー遺伝子として有効であることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Book] 生物工学ハンドブック2005
Author(s)
木田建次, 重松 亨(日本生物工学会編)
Total Pages
851
Publisher
コロナ社
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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