2005 Fiscal Year Annual Research Report
磁性原子架橋および分子性架橋のナノ構造物性に関する理論的研究
Project/Area Number |
16510075
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中西 寛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40237326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 秀明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00177354)
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Keywords | 原子架橋 / 分子性架橋 / ナノ構造 / 走査トンネル顕微鏡 / 磁性 / 第一原理計算 / 量子化コンダクタンス / 吸着 |
Research Abstract |
本年度は、分子性架橋としてポルフィリン金属錯体をリボン状につなげた、ポルフィリン金属錯体リボンをとりあげ、その電子物性、磁性、およびポルフィリン金属錯体リボンへの一酸化炭素分子や酸素分子等の分子吸着選択性、さらに電子物性および磁性状態の吸着分子依存性の研究に着手した。 これまで扱ってきた原子架橋系より取り扱う原子数が多く、スーパーセルが大きいため第一原理計算の部分は難航しているが、Zn、Co、Fe,Cu、Ni,Pd,Pt、Mgを錯体金属としてもつポルフィリン金属錯体リボンに対して第一原理計算を実行することができた。 予備計算の結果、中心の金属元素によりポルフィリン金属錯体リボンは、伝導体であったり、絶縁体であったりと電子物性が変化することが分かった。さらに、上記一部の金属錯体において、一酸化炭素分子、および酸素分子の吸着エネルギーを調べたところ、吸着物が安定なもの不安定なものあることがわかった。今のところ、一酸化炭素分子と酸素分子かどちらかだけを選択的に吸着させるものは無かった。また吸着前に伝導体であったものが、一酸化炭素の吸着により、フェルミレベル近傍にエネルギーギャップが開き、絶縁体に変化するものや、吸着前に金属原子が持っていた磁気モーメントが、一酸化炭素の吸着により消失するものがあることが分かった。これらの知見は、ポルフィリン金属錯体リボンの分子センサー、化学スイッチ等の機能性材料としての利用可能性を示唆するものである。
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Research Products
(6 results)