2005 Fiscal Year Annual Research Report
微細高精密電子情報用光学レンズ金型製造に関する研究
Project/Area Number |
16510081
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
平原 英俊 岩手大学, 工学研究科, 助教授 (30241491)
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Keywords | 金型 / 離型 / 汚染 / 有機薄膜 / トリアジンチオール / 汚染 / フッ素 / 接触角 |
Research Abstract |
本研究では、ナノメートルオーダーの微細パターン高性能レンズ成形時における金型汚染の原因を解明し、ナノメートルオーダー微細パターン高性能レンズ製造に関する研究を行った。すなわち、金型表面の極性をコントロールするトリアジンジチオール誘導体(離型に適応した化合物)を合成し、それにより金型を表面処理することによって、微細パターン高性能レンズ成形製造時の金型離型性の改善と金型汚染防止を目的とする。 離型性を備えた表面処理剤としてパーフルオロ化合物とトリアジン化合物を用いて表面制御機能性フッ素系トリアジンチオール誘導体を設計および合成した。離型性を有するフッ素系トリアジンチオール誘導体を用いて電解重合処理によって金属表面をトリアジンチオール有機被膜で被覆する条件を検討した。条件の因子として、溶媒の影響、電流密度、電位の影響そして処理時間の影響について行った。金型に使用される同様の金属材料のテストピースを作成し、電解重合処理によって、テストピース金型表面を離型性および汚染防止被膜の形成を行った。テストピース金型表面の化学的性質と物理的性質の評価は、FT-IRによる表面構造、表面自由エネルギー測定、XPS測定による被膜の構造解析を行った。フッ素系トリアジンチオール誘導体処理した金属表面の接触角は処理時間の増加とともに増大し、107°から119°の範囲となった。処理時間とともに金属表面に均一にフッ素系トリアジンチオール誘導体の皮膜が形成されたことが明らかとなった。XPS測定より、フッ素含有トリアジンチオールによって処理テストピース金型は、最表面でFlsは最大であり、金属界面に近づくほど、Flsが減少した。また、表面制御機能性トリアジンチオール被膜を形成した金型の離型性評価は離型処理金型を成形機に装着し、金型がプラスチックと接触し、汚染する状態と離型性の状態を観察した。本研究の処理方法が汚染防止に効果あることが明らかなった。
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