2004 Fiscal Year Annual Research Report
高分子化補酵素・メディエータの交互積層による機能性ナノデバイスの構築
Project/Area Number |
16510084
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
末 信一朗 福井大学, 工学研究科, 助教授 (90206376)
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Keywords | DNAセンサ / サルモネラ属菌 / 交互積層法 / 高分子メディエータ / 電子伝達 / サンドイッチハイブリダイゼーション / ナノデバイス |
Research Abstract |
本研究では、食品有害微生物であるサルモネラ属菌の高感度検出を目的として、簡便かつ高感度かつ安全に目的遺伝子を検出するために、ほぼ全てのサルモネラ属菌が保有する細菌性外膜タンパク質Invasinをコードしている塩基配列、inv A領域を標的部位とし、実験操作が煩雑になる標的DNA毎に直接標識を行うのではなく、標的DNAに特異的に結合するように設計した2本のプローブ(capture probe、reporter probe)を設計し、Target DNAとサンドイッチハイブリダイゼーションさせ、反対電荷を有するタンパクを電極上に規則正しく積み重ね電子伝達を効率よく行うことのできる交互積層法と組み合わせることにより、酵素反応に基づく電流シグナルを電気化学的に増幅させ、電流シグナルを効率よく検知することでTarget DNAを迅速かつ高感度に検知するDNAバイオセンシングシステムを構築した。Reporter probeの酵素標識方法、精製方法、酵素の電極への非特異吸着を防ぐためのブロック剤、ハイブリダイゼーションを行うための最適な温度条件の各検討を行うことにより、高感度、簡便にTarget DNAの検出を行うための最適な条件を求めた。その条件下で、サンドイッチハイブリダイゼーションさせたTarget DNAを酵素反応に基づく電流応答の測定を行い、Target DNAの検出限界の検討を行ったところ電流応答量とTarget DNAの量の間には、良好な直線的な関係が得られた。サンドイッチハイブリダイゼーション法と交互積層法とを組み合わせた新規のDNAセンサの検出限界は、7.9x10-15molすなわちフェムトmolオーダーの量であり、Target DNAを高感度に検知することが可能であった。本DNAセンシングシステムが微少量の検出対象遺伝子であるサルモネラ属菌由来遺伝子を高感度かつ定量的に検出することが可能であることを示した。
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Research Products
(7 results)