2006 Fiscal Year Annual Research Report
液晶分子保護金属ナノ粒子の創製と液晶デバイス材料への応用
Project/Area Number |
16510093
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
白石 幸英 山口東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (60289303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸嶋 直樹 山口東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (50011010)
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Keywords | 金属ナノ粒子 / ナノロッド / 金 / 液晶 / 液晶表示素子 / コロイド / 周波数変調 / ねじれネマティック |
Research Abstract |
有機物で保護・安定化した金属ナノ粒子が、ナノテクノロジーを支える材料として注目されている。本研究室では、昨年度、4-シアノ-4'-ペンチルビフェニル(5CB)を保護剤とするAg/Pdナノ粒子を調製し、この添加により液晶表示素子(LCD)の応答速度を向上させることができることを報告した。本年度は、化学的安定性や電気光学特性が良好なAuナノ粒子を液晶に添加し、Auナノ粒子の保護剤や形状の効果について検討した。 界面活性剤であるセチルトリメチルアンモニウムプロミド(CTAB)を保護剤に用い、テトラクロロ金酸水溶液にアスコルビン酸を加え、紫外光照射することによりAuナノ粒子およびAuナノロッドを合成した。さらにドデカンチオール(DT)や4-フェニルチオフェノール(PTP)、4-メルカプト-4'-ペンチルビフェニル(5MB)などのチオール基をもつ保護剤を用いてAuナノ粒子を合成し、液晶中へのAuナノ粒子の分散性の向上を図った。 種々の保護剤を用いて合成したAuナノ粒子を5CBに添加し、ねじれネマチック液晶表示素子を作製し、その電気光学特性を液晶評価装置LCD-5200を用いて交流電圧を加えたときの透過率変化(V-T特性)で評価した。チオール系の保護剤は、それ自身ではV-T特性において周波数変調に影響を与えず、5CBへの相溶性の向上に有効であることを明らかにした。また5CBと構造が類似した保護剤の方が5CBへの相溶性が良好である事がわかり、5MBが最も良相溶性であった。PTP-Pdナノ粒子は100Hz〜1000Hzでは0.7〜4.6Vの範囲で周波数変調するが、Auナノ粒子系では3.3〜10.9Vとより幅広い領域で周波数変調を示した。さらにAuナノロッドではさらに効果が大きくなり、形状依存が認められた。これは液晶分子自身が棒状であるため、異方性の添加物の方が液晶に与える効果が大きくなるためであると考えられる。
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