2005 Fiscal Year Annual Research Report
放射光を用いた逆格子空間直接観察によるナノ結晶体の迅速構造解析法の開発
Project/Area Number |
16510096
|
Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
坂田 修身 (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門・表面構造チーム, チームリーダー主幹研究員 (40215629)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 護 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (20174998)
舟窪 浩 東京工業大学, 総合理工学研究科, 助教授 (90219080)
北野 彰子 (財)高輝度光科学研究センター, 産業利用推進室・産業利用支援チーム, 研究員 (50393319)
|
Keywords | 迅速構造解析 / 原子細線 / ナノ材料 / 超薄膜 / 超高感度ナノ計測回折法 / 新構造解析法 / 単色高エネルギーX線 |
Research Abstract |
ナノメータ・スケールの1次元構造からの特徴的な回折図形を精度良く記録することに平成16年度に成功した。引き続き今年度は、別のナノ構造体を試料として用いナノ構造の迅速構造解析法の確立を目指し、成功した。 シリコン(001)上に極微量のビスマス細線を成長後、その上にエピタキシャル・シリコンでキャップした試料について、ビスマス原子が細線を保持したまま埋め込まれていることを実験的に示すことができた。また、埋め込まれたビスマス原子細線中のビスマス原子がその細線に沿ってペア構造を作っていることが分かった。シリコン内部に埋め込まれたビスマス原子数は、原子層1枚分の約1/10程度と極めて微量であるにもかかわらず十分な回折信号を得ることができた。それにもかかわらず、数分の測定時間で広い逆格子空間の回折データの収集に成功した理由は、強力な放射光(高エネルギー単色X線)利用と組み合わせて、迅速かつ検出感度の高い回折図形の記録が可能である2次元検出器(イメージングプレート)を利用した測定手法(逆格子イメージング法)を開発できたからである。最新のナノシミュレーションによって、埋め込み型ビスマス原子細線の構造も解明できた。さらに、シリコン(001)上に極微量のビスマス細線を成長後、その上にアモルファス・シリコンでキャップした試料について調べた結果、ビスマス細線はほとんど埋め込まれていないことも分かった。このことから、原子細線の埋め込みに必要なプロセスが確認できた。
|
Research Products
(3 results)