2005 Fiscal Year Annual Research Report
港湾におけるCO_2排出量評価と削減方法に関する研究
Project/Area Number |
16510108
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
渡邉 豊 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (50182960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 浩 独立行政法人 港湾空港技術研究所, 施工・制御技術部, 新技術研究官 (00371774)
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Keywords | 港湾 / 環境 / CO_2(二酸化炭素) / コンテナ輸送 / 荷役機械 / 京都議定書 / 国際物流 / CO_(2)削減 |
Research Abstract |
昨年度に構築したコンテナ港湾におけるCO_2排出量評価モデルを、国内の主要コンテナ港湾に適用してマクロ的な観点からのCO_2排出原単位を明らかにするとともに、各コンテナ港湾におけるCO_2排出に関する特性を分析した。さらに、各種CO_2排出量削減対策を講じた場合の効果について定量的に検証し、相当程度の削減効果が期待できることを示した。 まず、国内の主要コンテナ港湾におけるCO_2排出量評価は、それぞれの港湾の諸条件に応じて年間約9万トンから約14万トンのCO_2排出量となった.以下に輸送活動ごとの各港湾におけるCO_2の排出特性についてまとめる。 ・海上輸送については、コンテナ船の港内航行距離が長い名古屋港と大阪港において排出量原単位が大きい。また、神戸港では、外航コンテナ船1隻当たりの取り扱いコンテナ数が少ないため、海上輸送における排出量原単位が大きい。 ・港湾荷役については、主要港湾において用いられている港湾荷役機械の規格の共通性から、各港湾において排出量原単位の推定結果には大差は見られなかった。 ・陸上輸送については、トレーラの臨港地区内の走行距離が長い東京港,名古屋港,大阪港において排出量原単位が大きい。一方、横浜港と神戸港では、臨港地区内のトレーラの走行距離が短いことにあわせて海外トランシップ率が高いため、排出量原単位が小さい。 次に、上記で示した現状に対するCO_2排出量の評価値に対して、以下の代表的なCO_2排出量の削減対策の効果を定量的に評価した。 ・ケース1;陸電を使用することによって停泊中にコンテナ船が補機を使用しない場合. ・ケース2;臨港道路の整備とノンストップゲートの導入などにより,トレーラの渋滞が解消された場合. ・ケース3;自働化・IT化荷役機械の導入などにより,ヤード荷役量が10%減少するとともにコンテナ船の停泊時間が10%短縮された場合. この分析の結果、それぞれのケースにおいて4%から22%程度のCO2排出量の削減効果が期待できることがわかった。 以上の本研究の成果は、国内の著名な学術誌にそれぞれ投稿し、審査を経て採択され今年度掲載予定である。
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Research Products
(2 results)