2004 Fiscal Year Annual Research Report
定量的リスク評価を指向した新しい産業災害統計分析論とその事故防止策立案への適用
Project/Area Number |
16510109
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
関根 和喜 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40017934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 實 独立行政法人消防研究所, プロジェクト研究部, 部長 (60358778)
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Keywords | リスク評価 / 災害統計 / 安全施策 / 事故 / リスク曲線 / 危険物施設 / 意思決定 |
Research Abstract |
本研究は、分析結果から各種災害のリスク評価や安全管理の程度が直接導出できるような新しい災害統計分析手法を提案し、災害リスクの特定・定量的評価と危険物施設などへの安全管理施策を実施する際の合理的な意思決定を支援するための有効な方法論を構築することを行う。 まず、災害リスクの概念を安全工学的立場から検討・定義し、危険物施設(石油タンク)等の現場での災害リスクを一元的な定量的指数として評価する具体的手法を提案した。 本年度について得られた結果は以下の通りである。 (1)災害事象の生起を複雑系(complex system)の確率的過程と考え、これを取扱うフラクタル理論によって災害生起特性のモデル化を行い、定量的解析への基礎づくりに成功した。 (2)Kaplanらの一般的なリスク表現を敷衍して、現場での災害リスクに適用できる定量的定義とその統計分析上の意味を検討し、これらを明確化した。 (3)災害のリスク曲線とは、被害の大きさとその大きさを超える災害の超過頻度を二次元的に図式化したものであるが、災害リスクの定義を明確化したのち、災害に関するリスク曲線の正確な構成法と、一元的な災害リスク評価パラメータを推定する手法を提案できた。 (4)産業現場で発生した災害事例を収集・蓄積した。今年度については、分担研究者(山田實・消防研究所)のもとで、特に多くの災害が発生している危険物施設(石油タンク)等での災害データを集積した。収集・整理されたデータを用いて、提案した分析手法に基づき、我が国の災害リスクの特性とその構造変化を分析、考察し、同時にその統計的分析手法の有効性を確認した。
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Research Products
(3 results)