2004 Fiscal Year Annual Research Report
金融工学における数値アルゴリズムの精度に関する研究
Project/Area Number |
16510110
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
諸星 穂積 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (10272387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏見 正則 南山大学, 数理情報学部, 教授 (70008639)
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Keywords | ファイナンス工学 / モンテカルロ法 / シミュレーション / 数値計算 |
Research Abstract |
ヨーロピアン型の経路依存オプションであるバリア・オプションについて,離散時間モデルと連続時間モデルの違いを定量的に明らかにするために,漸近論にもとづく補正方法の精度について数値実験をおこなった.実験の結果,この補正法がある条件の下で有効であり,その範囲を外れると精度がかなり低下することが分かった.条件と精度についての定量的分析を行った.しかし,この補正の精度が低下する問題が生じるのは,オプション価格が非常に低い値になる場合であり,実用上問題となるオプションの価格の範囲内では十分有効であると考えられることも判明した.この辺の事情は,補正法が絶対誤差に関するものであること,離散時刻のバリア・オプションにプット・コール.パリティによって説明することを考察中である.この内容の一部について学会発表(日本OR学会2004年秋季研究会)を行った.また,ランダム化準モンテカルロ法について,生成されるサンプル点の分布について,基礎的な考察を行っており,研究を継続中であり次年度に発表するため論文作成の準備を行った.次年度以降アメリカンオプションについて研究を進めるため,研究協力者(岩手県立大学・今井助教授,南山大学・瀬古博士)とともに研究会を開催し,多資産オプションの評価のための数値アルゴリズムや,アメリカン・オプションの発展形であるゲーム・オプションについての理論的考察について討論,意見交換を行った.
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Research Products
(1 results)