2005 Fiscal Year Annual Research Report
金融工学における数値アルゴリズムの精度に関する研究
Project/Area Number |
16510110
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
諸星 穂積 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (10272387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏見 正則 南山大学, 数理情報学研究科, 教授 (70008639)
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Keywords | ファイナンス工学 / モンテカルロ法 / シミュレーション / 数値計算 |
Research Abstract |
ランダム化準モンテカルロ法について,生成されるサンプル点の分布のもつ性質について,基礎的な考察を行った.通常,準モンテカルロ法で生成される点は,高次元空間の単位立方体上に一様分布する点列であり,金融工学の数値計算に用いる場合には,何らかの変数変換を行った上で利用するが,ランダム化を行うと,変数変換を行わなくても,座標値の和をとると正規分布に近い分布を得ることができることを示した.また,ランダム化準モンテカルロ法と,通常のモンテカルロ法に分散減少法の一つで層別サンプリング法を適用した場合を数値実験により比較し,バリアオプションなどの経路依存性ががあるオプションの場合には層別サンプリングによりオプション価格の推定値に偏りが生じる場合があることを指摘した.この研究成果をまとめて論文を作成し,国際会議録において発表した.また,アメリカンタイプのオプションの数値計算の研究を進めている.具体的には行使境界の精密な計算を行うことを目指して,行使境界を決定する積分方程式を数値的に解く方法について研究を行っている.この研究を進めるため,研究協力者(名古屋大学・山本助教授)らとともに研究会を開催し,Black-Sholes型(Gauss型の資産価格過程モデル)におけるオプション数値計算の有力な方法である高速Gauss変換法について講演,討論を行った.この方法を活用してより精密な行使境界の計算を行い,さらにバリアオプションなどで利用される境界の補正を適用する可能性を検討している.
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Research Products
(2 results)