2006 Fiscal Year Annual Research Report
医療・介護の質を守るためのスタッフスケジューリングの研究
Project/Area Number |
16510120
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
池上 敦子 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (90146936)
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Keywords | スタッフスケジューリング / 訪問介護 / モデル化 / 経路探索 / ナーススケジューリング / 勤務表作成支援システム / 下限値計算 / 部分問題軸アプローチ |
Research Abstract |
■訪問介護スタッフスケジューリング (1)各日のスケジュール作成において,ヘルパー必要人数を見積もるため,その日のサービス需要に対する必要人数の下限値計算方法2種類と上限値計算方法を提案し,実際のデータに適用して観察した結果を論文にまとめた. (2)アンケート調査に基づく数理モデルの構築を進め,このモデルに適用するアルゴリズムを構築した.1ヶ月の勤務表作成を対象としたこのモデルを定式化すると,その拘束条件マトリックスは,1日のスケジュール作成を部分問題とするブロック対角構造となっており,1つの部分問題に着目すると,1人のヘルパーのスケジュール作成を部分問題とするブロック対角構造の問題となっている.そこで,同じブロック対角構造を持つナーススケジューリング問題に有効であった部分問題軸アプローチを入れ子に適用するアルゴリズムを構築し,1ヶ月を通しての各ヘルパーの勤務時間合計に下限と上限を設定できるようにした. (3)構築したアルゴリズムをエクセル上で利用できるようにVBAで入力等のインタフェースを作成し,勤務表作成支援システムのプロトタイプを構築した.このプロトタイプを利用して訪問介護事業所で勤務表作成をしたところ,1ヶ月を通した勤務時間の調整が自動でできるために,2004年度に作成したシステムより少ない手間と時間での勤務表作成が可能になった.作成された2ヶ月分の勤務表は実際に利用されることになった. ■ナーススケジューリング これまでに提案してきた部分問題軸アプローチに基づく2交替制用のアルゴリズムの挙動を観察し,局所解に陥るのを避けるよう(試行解が同じ領域内で長い滞在をしないよう)解の繰り返しの判定方法について検討した.また,解の改善につながらないような解の候補の選択を避ける評価方法を設定することで,局所解に陥る危険性を減らすだけでなく,アルゴリズムの高速化にも成功した.
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Research Products
(4 results)