2005 Fiscal Year Annual Research Report
交差点出合い頭事故の原因分析と再発防止-運転者視点の安全システム再設計-
Project/Area Number |
16510125
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
堀野 定雄 神奈川大学, 工学部, 助教授 (80078310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 みどり 神奈川大学, 工学部, 助手 (50409900)
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Keywords | 出合い頭事故 / 交差点視環境 / 情報表示設計 / 死角 / 交通状況映像記録 / カーブミラー / 視線分析 / メンタルモデル |
Research Abstract |
小泉首相が2年連続(03、04)国会施政方針演説で行った10年間で死者半減宣言で画期的なのは、環境整備を強調した点である。2005年死者数7%、事故件数・負傷者数共に2%減と減少傾向を示したが、事故件数は90万件強の高水準で、その4分の1が出会い頭事故で高止まり傾向にある。これを顕著に減少させる目的で、環境整備面で直接貢献を狙うのが本研究である。視界が悪い交差点の安全性はカーブミラーで補うしかないがこれを裏付けるタクシー・バイクの出会い頭事故が映像記録された。運転者取材からカーブミラー設置基準がない事が深刻な事態を招来している事が判明した。 2004年度、横浜市鶴見区芦穂崎地区11無信号交差点のミラー17基、鏡面27枚を、2005年度は同市港北区新吉田41無信号交差点のミラー49基、鏡面83枚を5段階(A-E)評価した。その結果、安全に貢献するA-B:24%(20/83枚)-33%(9/27枚)、危険性があるC-E:67%(18/27枚)-76%(63/83枚)、即時改善が必要なE:16%(13/83枚)-26%(7/27枚)で、C-E評価は芦穂崎67%、新吉田76%とミラーの過半数は危険と判明した。両地区に共通して、ミラー視認性と出会い頭事故の相関、(1)鏡面内道路位置、(2)鏡像死角、(3)距離感支援路面表示のミラーの人間工学設置要件3項目が再確認された。事故とミラー視認性との相関は、A-B:0.8-1.0、C-E:1.5-2.1件/枚でカーブミラーの視認性が低いほど事故は多かった。3要件の鏡像死角の有無では、死角なし:0.7-1.0件/枚、死角あり:3.8-12.5件/枚と他の2項目以上に顕著な相関関係が認められ、カーブミラー設置の質で事故確率が決まる事が判明した。視認性確保のカーブミラー設置改善が急務である。 この他に交差点の形状や優先/非優先のルール認知が曖昧な為にニアミス頻度が高い新吉田交差点では、確実な情報認知を担保する標識新設など視環境改善が急務である事も判明した。
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Research Products
(7 results)