2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16510142
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
朱 小華 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター, 研究員 (70371739)
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Keywords | 異常潮位 / 中規模渦 / 沖縄 / 衛星海面高度計データ |
Research Abstract |
研究計画一年目の平成16年度は、主に過去の各種観測データの収集を行った。収集したデータは:(1)沖縄・奄美大島・南大東島における過去に観測された潮位計データ(気象庁と国土地理院の潮位計測データ)(2)太平洋全域の衛星海面高度計データ(TOPEX/Poseidon, ERS-1/2,Jason-1データ)(3)衛星海面水温データ(東北大学)(4)詳細な海底地形データ(財団法人日本水路協会)(5)地球環境観測研究センター黒潮輸送・海面フラックスグループによって沖縄海域付近で行なわれた係留観測データ(係留流速データ・PIESデータ)(6)気象庁長崎海洋気象台など海洋関係機関によって観測されたCTDデータ(7)過去の異常潮位の発生に関する被害状況などである。 収集されたデータの品質管理や内挿・補間などの作業により基本データセットを作成した。沖縄の潮位データの解析を詳細に行い、以下の結果が得られた。過去36年問の沖縄の平均潮位は春から徐々に上昇し、7〜8月に最大値に達した。この潮位の季節変動は最大35cmであった。中規模渦による異常潮位の被害は、潮位の季節変動による最高潮位時と暖水渦が沖縄近くまで接近した時が重なった場合しか発生していない。このことから、今後は、最高潮位時である7〜8月の状況に注目する。衛星海面高度データから、中規模渦の伝播特徴を調べた。沖縄に接近した中規模渦は、ほぼ東経135-160度、北緯18-24度の東西に細長い帯状の海域(亜熱帯反流海域)で発生・発達し、東から西に伝播してきた。7〜8月に沖縄に接近する中規模渦の潮位に対する影響は、この帯状海域における中規模渦の発生・伝播を監視することにより評価される。これにより、中規模渦による異常潮位の予報システムの構築されることとなる。
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