2004 Fiscal Year Annual Research Report
線虫(C.elegans)をモデルとした糖タンパク質の大規模解析法の開発
Project/Area Number |
16510148
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
梶 裕之 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (80214302)
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Keywords | 線虫 / C.ELEGANS / レクチン / 糖タンパク質 / 安定同位体標識 / プロテオーム解析 / LC-MS / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
線虫C.elegansに存在する糖タンパク質を大規模に解析する方法の開発にあたり、次の研究を実施した。 (1)線虫の大規模培養:線虫の大規模培養は液体培地を用いた振とう培養法で行い、えさには大腸菌の代わりにMicrococcus lysodeikticus菌体を用いた。およそ湿重量80gの線虫が得られた。 (2)線虫糖ペプチド調製法の改良:これまでの研究では線虫を超音波で破砕し、抽出された可溶性のタンパク質を試料としていたが、本研究では膜結合タンパク質などの回収、分析を目的に、不溶性タンパク質画分も調製した。また糖ペプチドの回収手順を改善し、1段階のレクチンアフィニティークロマトグラフィーによって糖ペプチドを精製した。使用したレクチンは、タチナタマメのコンカナバリンA(conA)、小麦胚芽アグルチニン(WGA)、線虫ガレクチン(GaL6)の3種を用いた。 (3)糖ペプチドの精製:これまでレクチンアフィニティークロマトグラフィーで得られた糖ペプチドは、分析前にC18カラムを用いた逆相クロマトグラフィーで濃縮していたが、回収率が低く、また糖鎖を持たないペプチドなどの混在が著しく、同定効率が低かった。そこで、親水性相互作用クロマトグラフィーによって、試料糖ペプチドを精製、濃縮し、IGOT-LC-MS/MS分析に供することにした。これによって、糖ペプチドの回収量と同定数が向上した。 (4)N結合糖タンパク質の大規模解析:3種のレクチンアフィニティーカラムを用いて精製した糖ペプチド(3種のレクチン、可溶性・不溶性:計6種の試料)を安定同位体標識した後、IGOT-LC-MS/MS法で分析し、総数約800種の糖タンパク質を同定した。
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