2004 Fiscal Year Annual Research Report
超好熱古細菌由来アミノアシル-tRNA合成酵素によるtRNA認識の分子機構
Project/Area Number |
16510154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
長谷川 典巳 山形大学, 理学部, 教授 (60095023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 宏太郎 山形大学, 理学部, 助手 (80361244)
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Keywords | tRNAアイデンティティー / 古細菌 / Aeropyrum pernix K1 / プロリル-tRNA合成酵素 / プロリンtRNA / 分子進化 |
Research Abstract |
超好熱好気性古細菌、Aeropyrum pernix K1由来のトレオニルおよびプロリル-tRNA合成酵素(ProRS)については、His-tag融合型リコンビナントとして既にクローニングと発現および活性の確認がなされているが、大量発現には成功していなかった。そこでProRS遺伝子について、大腸菌ではほとんど使用されていないマイナーアルギニンコドンを大腸菌のメジャーアルギニンタイプに変更してクローニンと発現をやり直した。また、他のマイナーコドンを読めるtRNA発現系と共発現させることによって、大量発現系を確立することができた。しかし、発現させたProRSの比活性は低く、シャペロンの導入でも高活性のProRSを得ることができなかった。そこで、尿素および塩酸グアニジン処理によるリフォールディングと疎水性クロマトグラフィーの組み合わせで、初めて高い活性をもつProRSを精製することができた。この精製酵素を用いて、A.pernixのプロリンtRNAの認識部位の再確認をおこなった。その結果、アンチコドンG35、G36の認識は大腸菌の結果と一致し、強い認識部位であることを明らかにした。識別位塩基A73については、大腸菌同様、認識に関わっていたが、大腸菌よりも認識の程度は弱かった。アクセプターステム領域については、G1-C72の認識が非常に強く、大腸菌のProRSによる認識とは決定的に違っており、生物界によりプロリンtRNAの認識が異なっていることを証明することができた。この認識の違いが、進化の過程でどのように変化してきたかについて、たいへん興味がもたれる。プロリンの系については、ほぼ解決することができた。他のアミノ酸の系についても解明を進めており、今年度は、A.pernixのバリン、チロシンおよびトリプトファンについて、各アミノアシル-tRNA合成酵素のクローニングと発現に成功している。
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