2004 Fiscal Year Annual Research Report
UB-Bダメージにより植物から遊離される生態系有用生物の忌避物質の探索
Project/Area Number |
16510165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小瀬村 誠治 慶應義塾大学, 法学部, 助教授 (70231313)
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Keywords | UV-B / UV-Bダメージ / ミミズ / 忌避物質 / トウモロコシ / ダイコン / キャベツ / オゾン層 |
Research Abstract |
ミミズは、畑や林の土地を良い状態に保つのになくてはならない重要な生物である。つまり、ミミズは農業や人類の栄養-ひいては人類の繁栄という観点からも重要な生物である。近年、オゾン層の破壊など気圏環境の劣化による地表での紫外線放射量の増加が問題となっており、植物細胞への影響に関連した研究も盛んに報告されるようになった。しかし、その報告の多くは植物の生理、形態学的な研究である。報告者は、紫外線放射量(特に、UV-B)の増加によりダメージを受けた植物組織から遊離される化学物質がミミズに与える忌避作用とそれに伴う生態系への影響について研究を行ってきた。 平成16年度は,光を嫌うミミズが暗条件下においてもUV-Bダメージを受けた植物に対して忌避行動をとるかどうかを観察して,ミミズに忌避行動が観られた場合は、これらの植物から遊離されたミミズに対する忌避物質の単離および構造決定を行ってきた。光を嫌うミミズが,暗条件下においてUV-Bダメージを与えたトウモロコシの芽生えとダイコンに対して忌避行動をとることを観察し、これらの植物から遊離されたミミズに対する忌避物質としてヒドロキサム酸およびイソチオシアナートの単離に成功したが,これらの化学物質については,より自然な状態における生態系への影響の検討を開始した.また,暗条件下においてUV-Bダメージを与えたキャベツの芽生えについてミミズの忌避行動を確認し,忌避物質の単離を行っている. 自然生態系において、ミミズがその数を減らすということは肥沃な土地の減少を意味しており、この研究は紫外線放射量の増加により生態系に与える悪影響の新しい側面を明らかにできるものと考えている。
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Research Products
(1 results)