2007 Fiscal Year Annual Research Report
UV-Bダメージにより植物から遊離される生態系有用生物の忌避物質の探索
Project/Area Number |
16510165
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小瀬村 誠治 Keio University, 法学部, 教授 (70231313)
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Keywords | UV-B / UV-Bダメージ / ミミズ / 忌避物質 / トウモロコシ / オゾン層 / キャベツ / インドールアセトニトリル |
Research Abstract |
ミミズは、畑や林の土地を良い状態に保つのになくてはならない重要な生物である。つまり、ミミズは農業や人類の栄養-ひいては人類の繁栄という観点からも重要な生物である。近年、オゾン層の破壊など気圏環境の劣化による地表での紫外線放射量の増加が問題となっており、植物細胞への影響に関連した研究も盛んに報告されるようになった。しかし、その報告の多くは植物の生理、形態学的な研究である。報告者は、紫外線放射量(特に、UV-B)の増加によりダメージを受けた植物組織から遊離される化学物質がミミズに与える忌避作用とそれに伴う生態系への影響について研究を行ってきた。 平成19年度は、UV-Bダメージを与えたキャベツの芽生えからミミズの忌避物質として単離した物質インドールアセトニトリルについて、市販品を用いて忌避活性の強さの確認作業を行なった。また、自然に近い環境条件下におけるミミズの忌避行動も観察した。トウモロコシに関しては、すでに報告しているヒドロキサム酸の類縁体の単離を試みた。UV-8ダメージを受けた植物組織から遊離される化学物質は、光屈性の研究で得た化学物質と同様ではないかと考えられる。また、ダイコンから単離したイソシアナート類を除きトウモロコシのヒドロキサム酸類やキャベツのインドールアセトニトリル類は若いステージでは生合成されているが、成長した植物体からは確認できていない。 ミミズがその数を減らすということは、農耕用の土地に限らず肥沃な土地の減少を意味しており、この研究は紫外線放射量の増加により生態系に与える悪影響の新しい側面を明らかにできるものと考えている。
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