2005 Fiscal Year Annual Research Report
フォンビルブランド因子とその調節因子の構造-機能相関を中心とした血栓形成の制御
Project/Area Number |
16510167
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
松井 太衛 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (90183946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜子 二治 藤田保健衛生大学短期大学, 医療情報技術科, 助教授 (80180933)
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Keywords | フォンビルブランド因子 / フォンビルブランド病 / 血小板 / 血栓形成 / ボトロセチン / 遺伝子クローニング / ヘビ毒 / C-タイプレクチン |
Research Abstract |
1)ガラガラヘビ毒由来C-typeレクチンの構造と機能 昨年度までに一次構造を決定したCrotalus ruber毒由来のレクチン(CRL)は、C.atrox毒由来のレクチン(CAL)との間で、5箇所のアミノ酸のみが異なるが、今年度は、このアミノ酸置換とレクチンの性質にどのような相違が認められるかを解析した。糖認識特異性では、双方ともβ-ガラクトシド、GalNAcに高い親和性を示した。CALは単独でも血小板凝集を惹起すると報告されているが、CAL, CRLともに血小板凝集活性はなく、VWFによる血小板凝集にも影響しなかった。2価金属イオン要求性を調べたところ、CRLでは、Mn^<2+>、Ni^<2+>、Ba^<2+>によって、また、CALではBa^<2+>によってレクチン活性が阻害されることがわかった。CALの立体構造が最近明らかにされたが、該当するアミノ酸置換は糖認識特異性には影響しないものの、金属イオンの配位に重要であることが示唆された(論文準備中)。 2)ボトロセチン遺伝子のクローニング 昨年度から引き続き、B.jararacaヘビ毒腺のcDNAライブラリーの中から、ボトロセチンの遺伝子クローニングを試みた。残されたβサブユニットに関しては、縮重プライマーを用いてPCRを行い、得られたバンドのシークエンス解析から内部シークエンスを調べた。3'末端に関しては、poly Tをリバースプライマーとして用いたPCRで検索した。その結果、ボトロセチンβ鎖と87-88%の相同性を持ったクローンを得た。これ以上の高い相同配列は得られなかったことより、以後この配列を用いて発現実験を行うことにした。その他、PCRでの副産物としてGPIb結合タンパク質のβ鎖と、ボトロジャラシンβ鎖のクローンも取れた。現在、発現ベクターへの組み込みを検討中である。 3)キングコブラ毒由来新規VWF結合タンパク質の精製と性質 キングコブラ(Ophiophagus hannah)毒中にVWF結合性タンパク質を発見し、その精製を行うとともに、血小板凝集に与える影響を解析中である。
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Research Products
(3 results)