2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経栄養因子活性低分子天然物の分子プローブ創製と標的分子の解明
Project/Area Number |
16510172
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
福山 愛保 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70208990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江角 朋之 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (50315264)
高橋 宏暢 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (90289314)
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Keywords | 神経栄養因子 / 神経突起伸展促進活性 / 神経細胞死保護活性 / ホーノキオール / タアルミデイン / ネオビブサニン / 蛍光プローブ / アミロイドβ |
Research Abstract |
本年度は,天然物由来の神経栄養因子活性物質の探索で見出した神経突起伸展促進活性天然物ホーノキオールとネオビブサニンならびにタアルミデインの合成研究と作用機序解明研究を中心に行った。 1.薬理学および生化学的手法を駆使して,活性化合物ホーノキオールの神経栄養因子活性発現機構に関与する細胞内シグナル伝達経路の解明を行った。ホーノキオールはPLCを活性化する。それにより生成したPI3が小胞体からCa^<2+>を遊離させ,続くカルモジュリンの活性化でCaMKIIカスケードが亢進する。さらに,MEKの下流に位置するERK1/2がリン酸化される。この一連の経路がホーノキオールの神経栄養因子様活性に関与していることを,明らかにした。 2.ホーノキオールの分子プローブ作製に必要な2位が修飾された誘導体の効率的合成の開発に成功した。さらに,その合成ルートに基づきホーノキオールの蛍光プローブを調整し,共焦点レーザー顕微鏡下での神経細胞に対する分子動態が検討された。その結果,ホーノキオール蛍光プローブは速やかに神経細胞内に取り込まれ,細胞膜内と細胞質の特定部位に局在化することが明らかになった。 3.タアルミデインはアミロイドβ,過酸化水素およびグルタミンによって引き起こされる神経細胞死を有意に抑制できることが明らかになった。また,活性発現と構造相関を知る目的のタアルミデインの立体異性体合成も順調に進んでいる。 4.ネオビブサニンの全合成研究はDiels-Alder反応による六員環核の合成法が確立できた。 我々が見出した三種の活性化合物の不明である神経栄養因子活性発現作用機序の分子レベルでの解明は,各種蛍光プローブを活用した非破壊的手法によって,標的分子を明らかにできる段階に入った。
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Research Products
(8 results)