2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16510192
|
Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
住田 育法 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (40360242)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田所 清克 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (10298672)
山崎 圭一 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (10282948)
萩原 八郎 四国大学, 経営情報学部, 助教授 (10258311)
|
Keywords | 現代史 / 国際研究者交流 / ブラジル / 応用経済学 / 社会学 / 国際情報交換 / 文化人類学 / 建築学 |
Research Abstract |
1 ルーラ大統領誕生という政治変動の下、対立するブラジル社会民主党(PSDB)候補が勝利したサンパウロを中心に「ブラジルにおける2004年市長選挙と都市行政」について、ソブリーニョ氏(サンパウロ大学)が報告した。サンパウロとリオの比較は、「サンパウロの都市貧困層のエンパワーメント」を近田氏(アジア経済研究所)が、「リオの都市問題」についてはカイゾ氏(ブラジル地理統計院)が担当した。「ブラジル・クリチバ市の環境政策」について小池氏(拓殖大学)が経済学の視点から、「首都ブラジリアの誕生」を人類学のグスターヴォ氏(ブラジリア大学)が、「サンパウロのムニシピオ」の現状を近藤氏(グァタパラ市初代市会議員)がそれぞれ報告し、学際研究の立場から貴重な情報交換ができた。 2 大都市に加えて、今日5千560団体を超えている行政単位ムニシピオについて、ブラジル地理統計院や応用経済研究所、アジア経済研究所では、あらゆる事象が数値化されて計量分析がなされている。今回の人的交流により今後の資料収集への協力の約束が得られた。 3 本年度の研究会を通じて、従来日本では十分に確認されてこなかった制度の微細な点(専門的で詳細な事柄)が招聘した複数の研究者との議論を通じて確認されたことも、大きな成果であった。たとえばブラジルは住民票も戸籍もないが、どのようにして毎年の各都市住民数を割り出しているのか、あるいは「都市人口」の定義はどのようになされているのか、といった基礎的事項について、各報告者に何度も確認した。従来、おおまかな国際制度比較がなされてきたが、こうした微細な点に立ち入った厳格な比較検討は、必ずしも十分にはなされていなかった。重要なことは、こうした細かい制度上の特徴に、ブラジルの歴史が陰を落としていることである。針の穴からブラジル社会全体の本質に迫ることができるという意味で、記録にとどめるべき成果である。
|
Research Products
(2 results)