2006 Fiscal Year Annual Research Report
労働組織における女性人材の育成に関する実証的研究-ジェンダー関係の変動過程分析
Project/Area Number |
16510195
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
木本 喜美子 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (50127651)
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Keywords | ジェンダー関係 / 労働組織 / 女性活用 / 女性の戦力化 |
Research Abstract |
最終年度にあたって、これまでの調査資料、史資料収集の補足を行い、研究全体のとりまとめのための方法論の検討と資料分析を行った。 そのために第一に、「労働とジェンダー」「マネジメントとジェンダー」「組織文化とジェンダー」、そして「日本の女性労働研究」に関わる先行研究のフォローをさらにすすめ、職場におけるジェンダー体制が構築されるプロセスを把握するための理論と方法についての考察を深めた。 第二に、労働組織におけるジェンダー体制の変遷過程を解明するための作業を行った。当初考えてきた大手電機メーカーについてはインフォーマントがえられなかったため、女性労働の動員の仕方、女性人材の位置づけ方を、高度成長期に女工として働いていた人びとのインタビュー調査にもとづいての歴史的再構成の作業を断念し、この時期の女性労働史に関する文献、データの収集によってこれを補った。 第三に総合スーパーA社における女性活用の取り組みの展開過程をフォローし、総合スーパーと百貨店におけるパート処遇の変動過程と契約社員化の進行が職場に何をもたらしているのかについて、より最新の動向を把握するために情報収集を行った。さらに、外資が導入された総合スーパーB社のインタビューを実施し、グローバリゼーションの視点を含み込むことに努めた。 第四に、小売業労働の変遷について造詣が深いTony Royle博士が来日された際に(2006年12月)レビューを受ける機会を得た。また戦後日本女性労働史の研究蓄積をもつHelen Macnaughtan(ロンドン大学)等のレビューを受けた。
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