2004 Fiscal Year Annual Research Report
生涯学習の場としての女性センターと性役割観の変容に関する研究
Project/Area Number |
16510204
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
藤原 千賀 武蔵野大学, 現代社会学部, 教授 (60249042)
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Keywords | 性役割観 / 女性関連施設 / 生涯学習 / 女性学 / ジェンダー / 女性学・ジェンダー関連講座 / 意識変化 / 女性センター |
Research Abstract |
本研究の目的は、男女共同参画社会における生涯学習施設として、女性センターが男女の性役割観の変容に果たす役割について解明することである。 平成16年度においては、女性関連施設の女性学・ジェンダー関連講座と講座出席者の性役割観の変化との関係について、アンケート調査を実施した。調査対象は、全国の女性関連施設で実施された複数回連続の女性学・ジェンダー関連講座に出席した受講生273名(女性227名、男性38名、不明8名)。調査方法は、女性関連施設を通して実施した自記式質問紙調査である。調査時期は、2004年7月〜12月である。結果の概要(一部)は、以下の通りである。 1 女性学・ジェンダー関連講座への参加経験は、男女とも半分以上が以前にも受けたことがあった。 今回の講座を受講したきっかけについては、男女とも「以前から学習したいと思っていたから」が最も高く、2番目は男女に違いがあり、女性が「広報やお知らせで知ったから」であるのに対し、男性は「仕事や生活上必要だったから」である。 今回の学習から得たものに関しては、男女とも「自分を新しい角度から見つめるようになった」が最も高い。3番目には男女の違いがあり、女性は「社会を見る目が広がった」、男性は「女性問題・ジェンダーに敏感になった」であった。 これから学習したい分野は男女とも「男性への男女共同参画意識の浸透に関すること」が高い。 女性学・ジェンダー関連講座・講演会企画への参加意欲は男女とも非常に高い。 2 結婚や家庭、男女の役割意識について講座参加後の意識変化は、どの項目についても「考えは変わらない」が高い割合を占めているが、男性の家事・育児・介護への参画と女性の経済的自立に関しては「そう思うようになった」が男女とも比較的高い。 以上の結果から、女性学・ジェンダー関連講座が受講者の男女の役割意識に多少とも影響していることが示された。
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