2004 Fiscal Year Annual Research Report
「有限性」理解の諸相とその哲学的基礎付けに関する研究
Project/Area Number |
16520014
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山岡 悦郎 三重大学, 人文学部, 教授 (90115741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 眞里子 三重大学, 人文学部, 教授 (00185513)
片倉 望 三重大学, 人文学部, 教授 (70194769)
秋元 ひろと 三重大学, 教育学部, 教授 (80242923)
今泉 智之 三重大学, 人文学部, 助教授 (30322978)
久間 泰賢 三重大学, 人文学部, 助教授 (60324498)
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Keywords | 有限性 / 哲学 / 比較思想 |
Research Abstract |
本研究は、西洋思想、東洋思想、日本思想、科学史・科学論など、様々な領域の専門家が、学際的、比較思想的な視野に立って、現実的諸存在の「有限性」がいかなる哲学的基礎付けの下に理解されてきたかを明らかにすることを目指すものである。今年度の研究成果として、小川眞里子は、科学史家ロンダ・シービンガーにおいて、科学や科学史はどのような扱いを受けているかを検討した(「ロンダ・シービンガーの科学史・科学政策研究」)。片倉望は、中国古代の道家において「自然」という概念がどのように理解されているかを従来の見解を批判的に検討しながら考察し、道家においてこの語は基本的に「自分自身」「自分一人で」という意味をもつにすぎないことを明らかにした(「道家の「自然」」)。秋元ひろとは、西洋近世哲学、とりわけホッブズにおいて『法の原理』『市民論』の二つの著作と、主著『リヴァイアサン』との間では「自然権」の意味が変化していることを、文献の緻密な読解にもとづきながら、示した(「自然なき自然権」)。今泉智之は、プラトンの著作『テアイテトス』において、「教育」ということが問題にされるときには「人の優れたあり方(アレテー)」が問題とされているということを、文脈を丁寧にたどりながら明らかにした(「『テアイテトス』(186c4)における「教育」の一解釈」)。久間泰賢は、インドの思想家ダーマキルティーにおいて外界の事物の存在がどのように考えられているかを検討した("On Dharmakirti's Proof of the Existence of External Objects")。これらは、各研究者が自らの専門領域において行った個別研究という体裁をとっているが、それぞれ外界の事物や、それに関わる人間の「有限性」ということとどのように関連するのかを常に念頭に置きながら問題を考察している。また片倉と秋元の論文は、草稿を、本研究に関わるすべてのものが参加した三重大学における研究会で検討した結果発表されたものである。
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Research Products
(5 results)