2005 Fiscal Year Annual Research Report
郭店楚簡・上博楚簡を中心とする戦国時代における気の思想の研究
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16520034
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
竹田 健二 島根大学, 教育学部, 助教授 (10197303)
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Keywords | 郭店楚簡 / 上博楚簡 / 気 / 契口 |
Research Abstract |
本年度は、平成16年度の成果を踏まえつつ、引き続いて、郭店楚簡と上博楚簡とを中心に、出土資料の中に登場している気概念について、それぞれの文献における気概念の内容、及び気の思想の構造を解明し、戦国時代における気概念の思想史的展開を把握する活動を継続して行った。 また、出土した戦国楚簡の復元に関して、竹簡に刻み込まれた契口に注目する必要があることに着目し、論文「『曹沫之陳』における竹簡の綴合と契口」を発表した。本論文では、折れた竹簡を綴合して一本の竹簡を復元する際の客観的な手がかりとして、以下のように竹簡の契口が有効であることを明らかにした。すなわち、これまで公開された上博楚簡及び郭店楚簡の写真を見る限り、それらの中に、或る一本の竹簡上で、左右の契口が混在する現象は確認できない。従って、上博楚簡及び郭店楚簡においては、或る一本の竹簡上において右契口と左契口とが混在することはないと考えられる。こうした観点から、『曹沫之陳』に関する先行研究の中には、一本の竹簡上において右契口と左契口とを混在させる綴合を行っているものがあるが、それらは誤った復元と考えられることを指摘した。 この他、論文「上博楚簡『采風曲目』の竹簡の形制について-契口を中心に-」を執筆した。 加えて、2005年12月には、台湾・国立政治大学中国文学系で開催された国際シンポジウム「「出土簡帛文獻與古代學術」學術研討會」に出席し、研究発表「《曹沫之陳》中的竹簡綴合與契口」を行った。また、同学会に出席した中国の研究者から、『上海博物館蔵戦国楚竹書』の刊行に関する情報を得るなど、研究情報を収集した。
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Research Products
(2 results)