2006 Fiscal Year Annual Research Report
平井金三における明治仏教の国際化に関する宗教史・文化史的研究
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16520060
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
吉永 進一 舞鶴工業高等専門学校, 人文科学部門, 講師 (90271600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤井 敏夫 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (00192873)
橋本 順光 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (80334613)
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Keywords | 平井金三 / 万国宗教会議 / ユニテリアン / 明治仏教 / 宗教間対話 / 坐禅 / 神智学 / 道会 |
Research Abstract |
平井金三の文書は子孫宅に残されており、本科研においても平井文書の撮影が大きな目標であったが、予算面の制約から全資料の撮影を完了することはできなかった。しかし撮影された資料の内、シカゴ万国宗教会議などのアメリカにおける講演関係の新聞記事、日本での雑誌記事といった研究上必要不可欠な資料に関してはデジタル化して報告書付録DVDに収録することができた。これらのデジタル資料は、電子文書保存の国際標準仕様であるJIS Z6017に準拠して作成され、ダブリンコア仕様のメタデータを添付されており史料的価値は高い。 科研報告書においては、吉永は平井金三の全生涯について伝記的な研究を行い、仏教活動家、ユニテリアン、道会、心霊研究という平井の活躍を辿り、心理療法的観点から平井の禅解釈を評価しようと試みた。橋本順光は平井を神智学や在米中国仏教徒との関連で論じ、西洋主導の近代世界の中で東洋の文化的自立を目指す運動のひとつとして評価した。赤井敏夫は明治期仏教における神智学の影響について書誌学的な研究をおこなった。Jeff Shoreは平井の手稿についての調査を、研究協力者の野崎晃市は平井とユニテリアンに関する研究を行い、同じく協力者の橋本貴は資料のデジタル化に関する論考を執筆した。以上の論考から、明治二〇年代の仏教復興は国際化と連動した歴史的な動きであったこと、しかしながら平井自身はキリスト教と仏教の対立構図から脱して、宗教間の融和と宗教的真理の探究を目指し、その結果がシカゴ万国宗教会議での成功とユニテリアンへの転身につながったことを論証できた。今後の研究課題としては、第一に貴重な歴史資料である平井文書の撮影を完了することが急務である。第二に、アメリカでの仏教受容を検証するためには平井のアメリカ側への影響を実証的に調査する必要があると思われる。第三には、平井の道会などの日本生れのキリスト教との関係についてはさらなる考究が必要であろう。
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Research Products
(3 results)