2004 Fiscal Year Annual Research Report
1990年代日本の思想変容-主要テーマに即した同時代史的考察
Project/Area Number |
16520062
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平石 直昭 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20013013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 礼二 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30013022)
都築 勉 信州大学, 経済学部, 教授 (30180029)
苅部 直 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (00261941)
宇野 重規 東京大学, 社会科学研究所, 助教授 (00292657)
佐藤 美奈子 東京大学, 社会科学研究所, 助手 (90361633)
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Keywords | 1990年代日本 / 思想変容 / ナショナリズム論 / 市民社会論 / 社会科学論 / 知識人論 / 天皇論 / アジア論 |
Research Abstract |
初年度にあたる今年度は、各研究者がそれぞれの分担テーマについて研究を深めたほか、基礎的な資料の収集や共同研究者相互の間の問題関心の共有、関連する分野における新しい研究動向の摂取などを中心に研究活動を行った。 資料面では、とくに現代日本の思想変容に関連する図書・雑誌類を集中的に購入した。 8月と3月を除いて、毎月一回の研究会を定期的に開催し、主要テーマに関連する問題について専門研究者からの報告を受けて議論した。市民社会論関係では、開かれた社会の理念・男女共同参画計画・90年代司法改革などの問題について、また社会科学論関係では、戦後政治学の軌跡・日本政治史研究の動向・戦前以来の日本の社会科学の学説史的な分析などについて知識を深め、検討を加えた。また思想変容を見るには、学界と一般公衆を媒介する知的ジャーナリズムの役割が重要であるという理解から、論壇のあり方について報告を受けた。 議論を進める中で、90年代日本の思想変容を捉えるには、ソ連東欧圏における社会主義体制の崩壊や冷戦の終焉、また湾岸戦争以後の国際政治の展開といった国際的文脈や世界史的視野の中で問題を捉える必要が痛感され、アメリカの新保守主義に関する報告や世界システム論に関連する報告をうけた。また議論の拡散を防ぎ論点を整理し集約するという目的を持った研究会も開いた。 これらの研究会における議論の概要については、ホームページを開いて一般に公開しており、そのためもあって、朝日新聞学芸部記者の取材を受けた。 プロジェクトの終了年となる平成17年度には、各研究者が分担テーマに即した報告を行い、年度末には研究成果を論文集の形で刊行する予定である。
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