2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520069
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Research Institution | Beppu University |
Principal Investigator |
佐藤 瑠威 別府大学, 文学部, 教授 (10105562)
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Keywords | 近代精神 / 歴史主義 / 進歩史観 / ニヒリズム / 神の死 / 自然的世界 / 永遠 / 生 |
Research Abstract |
上記の研究課題について、当初の計画通り、16年度は主として資料の収集と基本文献の再読・読解をおこなった。レーヴィットにかんしては、ハイデルベルク大学に行って、ドイツおよびヨーロッパにおけるレーヴィット研究の状況や研究動向の把握と文献調査を試みた。その結果近年のレーヴィット研究も依然として彼の歴史哲学批判や哲学的人間学に関するものとレーヴィットとハイデガーとの関係に関するものが多いこと、ドイツ以外ではイタリアが最も研究が盛んこと等今後研究を進めていくうえで重要な知見を得ることができた。また、丸山真男の著書のドイツ語訳者であり、レーヴィットの持っていた日本関係の蔵書をレーヴィット夫人から譲り受けたハイデルベルク大学の日本学科のシャモニー教授と面会して、丸山とレーヴィットについての氏の考えを伺う機会を得た。国内では、戦前レーヴィットが教鞭をとっていた東北大学でレーヴィットに関する資料の調査を行った。丸山にかんしては、東京女子大学の丸山文庫の閲覧がまだしばらくできないとのことで、一般に普及している図書以外の資料収集はあまりできなかった。 文献調査や資料収集と並行して、研究課題であるレーヴィットと丸山の歴史観、人生観、世界観を把握するために必要な基本文献の再読、読解を主としておこなった。二人の歴史観、人生観、世界観を把握するためには、丸山の場合は彼の「歴史主義」と進歩史観と人生肯定的な態度の思想的な特質を解明し、レーヴィットの場合は彼の歴史哲学批判と人間と自然の本性についての見方と人生否定的な態度の思想的な特質を解明していくことが当面の課題となるが、今年度はこうした視点から研究を進めていった。
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