神戸大学蔵山口誓子資料の基礎的研究-データベース作成と俳壇史的意義の解明-

2005 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16520104
• Research Institution: Kobe University
• Principal Investigator: 木下 資一 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (90134981)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 林原 純生 神戸大学, 文学部, 教授 (80167072) ; 田中 康二 神戸大学, 文学部, 助教授 (90269647) ; 宇野田 尚哉 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (50324893)
• Keywords: 山口誓子 / 句帳 / 日記 / 昭和26年 / 校歌 / 社歌 / 来翰 / データベース

Research Abstract

1.句帳データベース化
神戸大学には、山口誓子が平成6年満92歳で没するまでに書き続けた句帳が大量に保存されている。その句帳417冊には、俳句9839句分の草稿と、その推敲の跡が書きとどめられている。本年度は昨年度の120冊分(全417冊中)の調査に引き続き、更に180冊分の調査を行い、各ページに見える俳句やキーワード等を表計算ソフトに打ち込む作業を行った。本年度で300冊の作業が終了したことになるが、誓子句集に載る俳句についてその推敲過程をたどることが容易になり、また誓子の好む表現などの検索も容易になった。このデータベースは、パソコン検索の利用に供するほか、来年度刊行予定の報告書にも掲載予定である。
2.昭和26年日記の翻刻と注釈作業
神戸大学所蔵の誓子日記の中、これまで昭和28年、31年の日記の翻刻を刊行している。本年は昨年の昭和25年日記(部分)に引き続き、昭和26年日記を翻刻した。かつ昭和26年日記に登場する人物について調査し、略注を付した。昭和25年の日記と異なり、記述は昭和28年、31年の日記同様、メモ的な簡略なものとなっているが、当時の誓子の活動が知られ、俳壇史的資料として価値あるものである。これらは来年度末刊行予定の報告書にまとめて掲載する予定である。
3.書簡調査
神戸大学所蔵誓子関係書翰中の橋本多佳子女史のものなどを調査・翻字した。
4.誓子作詞校歌
誓子は多くの幼稚園園歌、中学校校歌、また企業の社歌などの作詞をしている。これら散在しているものを収集、整理した。これらも来年度末刊行予定の報告書にまとめて掲載する予定である。